
実を結んだ「幼き頃からの癖」
東京NB戦後、栗島は筆者の取材に応じ、自身のボールコントロールやポジショニングに言及している。何気ない練習のなかでも本番(試合)を想定し、幼い頃から味方を活かすためのプレーを追究してきた栗島の躍動は必然だった。
ー栗島選手はボールを持ったときの体の向きが素晴らしいですよね。自分がパスを出したい方向にすぐ体を向けないですし、目の前の対峙選手に正対できているからこそ、左右どちらにもパスやドリブルができる状況を作れている気がします。普段からこの点を意識されていますか。
「普段の練習、パス・アンド・コントロールを何となくでやらないようにしていますね。『試合の中で(試合中であれば)、ここにいたらこういうトラップをする』ですとか、シンプルな練習でも何かしら意識しながらやるようにしています」
ー今日の試合で、栗島選手がこのチームにもたらしているものの大きさを改めて感じました。味方選手がボールを持っているときに、その斜め後ろに栗島選手が立ってパスの逃がしどころを作っているようにも見えました。これも意識されていますか。
「それも多分、幼き頃からの癖ですね。(浦和の)ジュニアユース時代も、(安易にロングボールを)蹴るようなサッカーではなかったので。パスを繋ぐという部分で、選手それぞれの良さを活かすんだったらあの距離感が良いと思ってポジションをとっています。それはもう無意識(にやっていること)ですね」

浦和全体の機能性を高めた栗島
「自分は何か圧倒的なスキルを持った選手ではありません。清家選手ほど俊足でなければ、ドリブルが得意な選手でもない。こうした理由で今のプレースタイルに行き着いている気がします」。これは4月10日の筆者とのロングインタビューで、栗島が発した言葉である。
確かに栗島はアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ所属)のように、疾走感溢れるドリブルで複数人を置き去りにするような選手ではない。その代わりに的確なポジショニングで攻守両面においてチーム全体を司り、チームメイトの持ち味を最大限に引き出す。派手なプレーを持ち合わせていなくとも、適切な場所にタイミング良く立つだけで相手チームの脅威となり、自軍を勝利に導ける。このサッカーの真理を栗島は体現し続け、浦和のWEリーグ連覇やAFC女子クラブチャンピオンシップ(招待トーナメント)制覇に貢献してみせた。
人間の体全体をコントロールし、生命維持の根幹を担っているのが脳という器官。チーム全体の機能性を高めるプレーがセールスポイントの栗島は、「浦和レッズレディースの頭脳」と呼ぶにふさわしい。
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