5月18日に開催された2024明治安田J2リーグ第16節。ジェフユナイテッド千葉はホームであるフクダ電子アリーナで愛媛FCと対戦した。前半開始早々にMF田口泰士のゴールで幸先良く先制すると、その後も一切手を緩めることなく前半だけで5得点。後半はやや勢いを失ったものの2点を追加し、気が付けば8-0で圧勝した第8節の栃木SC戦に匹敵する7-1という大差で昨シーズンのJ3王者を打ち破った。
この試合で先発し、見事1ゴール1アシストを記録したFW小森飛絢。前半から果敢なプレッシングを続け愛媛のビルドアップを機能不全に追い込んだほか、何度も裏抜けを繰り返し相手守備陣を翻弄し続けた。大勝した愛媛戦から3日後の5月21日に行われた公開練習では、27度という暑さの中でハードなメニューをこなしながら居残りしてシュート練習に励む貪欲な姿勢が印象的だった。
その後のファンサービスでも一人一人のサポーターに真摯な対応を見せていた小森。居残り練習のわけを訊くと「試合でもっとゴールを決めたいからです」とグラウンドを真っ直ぐ見つめて語ってくれた。ここでは、練習後の小森に訊いた直近の試合や新システム、J2得点王争いについて紹介する。
自分のゴールよりチームの勝利
第15節のヴァンフォーレ甲府戦(2-2)で5試合ぶりのゴールを決めた小森。千葉のエースとして2試合連続ゴールが期待された愛媛戦の前半については「甲府戦の前は自分にとっても悔しい期間が続きました。愛媛戦では常に相手の背後を狙っていましたが、なかなかチャンスを決められなかった」と振り返り、後半のゴールシーンに関して「疲れもあるなかで集中して枠に飛ばせた。このままの勢いを続けていきたい」と安堵する表情を見せた。
また、ゴールを決めた後半27分のシーンからわずか8分後の後半35分にはアシストも記録。右サイドからのスローインに誰よりも早く反応した小森が裏に飛び出し、ゴールキーパーと1対1になった場面でパスを選択した結果の好プレーだった。
「ボールを貰った時にはゴールのことを考えていました。だけど中を見たらバッキー(MF椿直起)がいたので、より確実性のある方を選択しました」と絶好のシュートチャンスを譲った理由について語った。
「もちろん自分で決めたかったですよ。複数得点しないと得点王にはなれない。だけどそれ以上に大事なのはチームが勝つことなので、そこに導けるプレーをしていきたいです」
以前から複数得点を課題にしていたにも関わらず、個人タイトルよりもチームの確実な勝利を優先する姿勢こそ、小森自身が体現するチームプレーだ。
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