大量得点でも緩まない姿勢
2022年にいわきFCの一員として愛媛との対戦経験がある日高。いわきはそのシーズン、リーグ戦で愛媛に2試合とも勝利しており、自身も愛媛戦でのプレーは悪くなかったと振り返っている。日々さらなる成長を求める日高にとって、今節の愛媛戦は自身の進化を確かめる指標として大事なものだった。「僕は2022年をJ3で戦っていたので、一年間J2でやってきた自分がどれだけ成長できているか確認したかったんです」
「個の部分でクオリティーは出せたと思いますし、チームメイトともいい形で崩すことができた。一昨年の自分と比べることが正しいのか分かりませんが、僕はずっと成長し続けたいと思っていますし、少しは成長を実感できる試合になりました」と自身を評した。
また、印象的だった左サイドでのボール回しについては「僕よりも、泰士さん(MF田口泰士)と祐介(MF小林祐介)とFWドゥドゥが相手を引き付けてバランスを取ってくれた。色々な人が絡んだからこそ生まれたものですね。あのようなプレーは誰が出場しても再現できるようにしたいです。意外と相手がガンガン来なかったので、サイドバックとして出るべきタイミングで上がることができたのが2アシストの要因だと思います」と振り返った。
そのうえで「大量得点で気が緩むことはないですし、むしろ逆です。あれだけ点が入った後でも、失点すると落ち込みますし反省します。1-0や2-0の時よりも、大量得点の後は気を引き締めていました」と、あれほどの大差でも気持ちを緩ませていなかったことを明かした。
さらには改善点として「プレースピードでいえば、少し愛媛に合わせてしまうところがあった。相手が何もできない状態でゴールまで行けるシーンはあったと思うので、もっとできると思います」と語り、次節以降への意欲も感じさせた。
ポジティブさを備えて前へ
日高にこの試合の評価を訊くと「7点も取れているので、そこは素直な気持ちでポジティブに捉えるべきだと思います」と一定の手ごたえを得ているとしたうえで「強いて言えば、藤田(GK藤田和輝)のミスくらいじゃないですか(笑)」と笑顔でチームメイトの思わぬミスに触れた。
愛媛戦の後半37分、GK藤田が相手からのプレッシングを交わしきれずにオウンゴールを献上したシーンはSNSで瞬く間に拡散された。クリーンシートで試合を終えるチャンスがあっただけに悔しい失点となったが、それについて日高は「チーム内ではあのプレーをいじっていますし、Xでは世界的スターですからね。あいつはもう有名人ですよ。あれはいじってあげないとむしろ可哀想です」とチーム全体で藤田のミスをネタにしフォローしていると語った。
「藤田も『ほかのチームだったら無視されている』と言ってました。たしかに、あのプレーだけを切り取れば致命的なミスかもしれないですけど、藤田は何度もチームを救ってくれているし、あの試合でそこを悲観してもあまり意味がないので、そこはみんなで面白がっています」と、ひとつのミスだけを特別に取り上げる必要はないという見解を示した。
この発言からもわかるように、現在の千葉にはどこかポジティブな雰囲気が流れ始めている。もちろん7-1という結果だけを見て安堵することは危険であり、優勝まではまだまだ長い道のりが待っている。しかし今回の練習におけるチームの雰囲気や日高の言葉からは、間違いなくさらに上を目指すチームの姿や連帯感が感じられた。
次の対戦相手であるV・ファーレン長崎の印象について訊くと「長崎のFW陣は、甲府の前線とは異なるスタイルの外国人選手なので注意したいです。ただ、そこにビビりすぎてしまっては自分たちのプレーを出せないと思うので、あくまでも自分たちのスタイルを貫いていきたいです」と次節以降も相手以上に自分たちへのフォーカスが重要だと語った。
現在リーグ2位につける長崎に勝利すれば、プレーオフ圏内進出の可能性があるだけでなくチームはより一層の自信を得られるだろう。千葉のFW小森飛絢と同じく通算8得点で得点ランキングトップタイのMFマテウス・ジェズスとFWエジガル・ジュニオ擁する長崎の攻撃をいかにして食い止めることができるか注目だ。
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