黒田剛監督率いる町田ゼルビアは、今月13日開催の明治安田J1リーグ第8節で、昨季J1王者のヴィッセル神戸と激突。プレー強度の高さやロングスロー、ロングボールなどを武器に守り勝つサッカーを徹底しているが、日本代表OBの遠藤保仁氏(現ガンバ大阪コーチ)は町田指揮官とは異なる監督像やプレースタイルを描いているようだ。
サンフレッチェ広島に敗れたとはいえ、第7節終了時点で首位に立っている町田。ファウル数の多さやタックルなどで批判を浴びることがある中、黒田監督は選手に対して「失点ゼロへの拘り」を求めている。
一方、遠藤氏は現役時代に西野朗監督のもとで“超攻撃サッカー”を体現してきただけに、黒田監督とは対照的なサッカー観を持っている。同氏は今年3月放送の『サタデーナイトJ』(テレビ東京系)で、G大阪時代のチームメイトである播戸竜二氏と対談。播戸氏から「監督を目指す上で理想のサッカー像」を訊かれると、「そら、超攻撃的でしょ」と即答。守備よりも攻撃を重視する理由について、以下のようなコメントを残している。
「(成績不振で)別にクビになっても良い。他のクラブの選手が『あの人のサッカー面白かった』『あの人のサッカーを経験してみたい』『あの人の下で指導を受けたい』と言うようなサッカーを目指したい。もちろん結果を出さないといけないけど、やっぱり守備よりも攻撃。見ている人も(そう思っているはず)」
「1-0の試合が美しいとか、俺の中で全然いらない。5-4で良い。その方が見ている人が楽しいし、試合している俺らはハラハラドキドキしているけど、やっぱり最後は打ち勝つようなサッカーを目指したい」
1-0での勝利に拘る町田のプレースタイルには、J1初挑戦の今季も度々賛否両論が噴出。ブラジルメディア『グローボ』も「カウンター攻撃、セットプレー、ロングスローに頼る守備的なスタイル。典型的なJクラブや日本代表のサッカースタイルとは正反対だ」と分析している。遠藤氏が指摘するように「ファン・サポーターを楽しませる」という点から、黒田監督のサッカー観を巡る論争は白熱するばかりだ。
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