Jリーグ 湘南ベルマーレ

湘南ベルマーレ、3連敗で早くもJ2降格圏。広島戦で窺えた守備の緩み

中央封鎖、及びサイドへの追い込み守備の一例。パスがサイドへ出たら、サイドバックが相手チームのサイドの選手を捕捉。これと同時に4バックもボールサイドへスライド

広島戦で採用したかった[4-4-2]

これは筆者の見解となるが、湘南はこの試合で[4-4-2]の布陣を敷いたほうが、広島MF川村拓夢や満田、松本、加藤の4人を捕捉しやすかったかもしれない。相手3バックのうちボールサイドの2名を湘南の2トップが捕捉し、相手チームのパスワークを片方のサイドへ誘導。湘南の中盤4人が川村、満田、松本、加藤をマンツーマンで捕まえたうえで、湘南のサイドバックが相手ウイングバックに寄せれば、追い込み漁に近いハイプレスが成立する。湘南は今季から[4-4-2]にトライしていただけに、この布陣でのハイプレスを広島戦で見たかった。


福田翔生 写真:Getty Images

C大阪戦でも窺えた湘南の守備の甘さ

守備の設計が甘く、相手GKや最終ラインからのパス回し(ビルドアップ)を止めきれない。この湘南の問題点は第5節セレッソ大阪戦(0-2で敗北)でも窺えた。

この試合の前半21分、基本布陣[4-1-2-3]のC大阪はDF登里享平(左サイドバック)がタッチライン際から内側へ立ち位置を移し、[3-2-4-1]に近い配置でビルドアップ開始。これに対し基本布陣[4-4-2]の湘南2トップがC大阪MF田中駿汰(中盤の底)へのパスコースを塞ぎ、中央封鎖を試みたが、登里をマークする選手がいなかったためここへパスが繋がってしまう。直後の登里のパスが繋がらず事なきを得たが、ピンチに直結してもおかしくない場面だった。

ここでも湘南が[4-4-2]の布陣を基調とする前述の守備をしていれば、こうした事態は防げたはず。守備の設計、具体的に言えばハイプレスの段取りの見直しは急務であり、これができなければJ1残留は覚束ないだろう。

ページ 2 / 2

名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

筆者記事一覧