新たな哲学を求めて
前述のように徳島は2020シーズンにリカルド・ロドリゲス監督のもとJ2を制している。それ以降、成績が振るわなかったとはいえ、2017シーズン以降は常にスペイン監督のもとでボールを握り自分たちが主導権を持つ戦いを志向し続けてきた。それは「徳島ヴォルティスの哲学」として内外に根付きつつあった。
しかし、昨シーズン途中に吉田達磨監督が就任し、約7年続いたスペイン人監督の系譜は終了。低迷していたチームの立て直しを優先した結果、現監督は確かにチームを残留に導いた。その弊害として、これまで作り上げてきた哲学は崩れ去った。新たな哲学を作るべく2年目のシーズンに向けて期待された上積みは今のところ発揮されていない。「徳島とともに、最高の瞬間を」というスローガンばかりが虚しく響く。このままきっかけを待つのか、それともカンフル剤を打つのか。クラブに残された時間や選択肢はそれほど多くない。
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