
スタジアムでヴィーガン食にするとどうなる?
近年、環境に配慮したユニークな取り組みを実施しているサッカークラブが注目されている。例えばルイスFCは、1月21日にホームで行われたダラムウィメン(イングランド2部)との試合で、会場で販売するメニューを完全ヴィーガン食(完全菜食主義の食事)にする「Veganuary(ヴィーガニュアリー)」を行った。
一体、この取り組みのどこが環境に配慮されているのか。2016年に発表された英国オックスフォード大学の研究によると、通常の肉や魚などを含めた食事をヴィーガン食に置き換えると、温室効果ガスの排出を約70%も抑えられることが明らかとなっている。
つまり、サッカースタジアムで提供するものを徐々にヴィーガン食にしていくことで、たとえばプレミアリーグの試合に訪れた数万人から排出される温室効果ガスについて、かなりの量を抑えることが期待できるという訳だ。

サッカークラブでトレンド化する環境活動
FFFのウェストン氏によれば、前述のような環境に対するサッカークラブの積極的な取り組みは、数年前までは想像もつかなかったという。今ではプレミアリーグ各クラブごとに存在する「サステナビリティ・マネージャー」という担当者も、FFF創設時の2021年にはなかった。
世の中の意識が明らかに変わってきた背景としては、2018年12月11日に国際連合(UN)が世界中のスポーツ業界向けに「スポーツを通じた気候行動枠組み(Sports For Action Framework)」を定めた影響が大きい。
これは各組織が気候変動に対する具体的な施策を設定し、スポーツの力を活用し人々の気候変動に対する意識や行動を牽引するという指針で、FIFA(国際サッカー連盟)、UEFA(欧州サッカー連盟)、プレミアリーグ、そして今夏開幕予定のパリオリンピック組織委員会も賛同している。
今後の環境の変化と共に、サッカー業界の変化にも注目していきたいものだ。
コメントランキング