MF鎌田大地はセリエA(イタリア1部)ラツィオで出場機会に恵まれず、今季限りで退団の可能性が取りざたされている。来年1月に行われるAFCアジアカップの日本代表メンバー入りが微妙とも報じられる中、ラツィオOBが同選手の現状に言及している。
アイントラハト・フランクフルト時代の2021/22シーズンに、UEFAヨーロッパリーグ制覇を成し遂げた鎌田は、今年8月にラツィオへ加入。今季開幕からリーグ戦4試合つづけて先発出場も、その後はMFルイス・アルベルトの控え要員として扱われており、スタメンでの出場機会が激減。今月22日のセリエA第17節エンポリ戦ではアルベルトの負傷により、前半途中からピッチに立ったものの、得点に絡めなかった。
ラツィオで結果を残せていないだけに、現地では鎌田退団報道が過熱。イタリア紙『コリエレ・デッロ・スポルト』は20日に同選手のパフォーマンスを酷評するとともに、スペインやフランス方面からの関心を伝えていた。しかしラツィオの専門サイト『ラツィオ・ニュース』は24日に「来年1月に鎌田がラツィオを離れる可能性はほぼない」とリポート。今季終了後のフリー移籍が既定路線との見方を示している。
そんな中、かつて2005年夏から3シーズンにわたりラツィオでプレーし、引退後は同クラブでスポーツディレクターを務めていたイグリ・ターレ氏が、鎌田が本来のパフォーマンスを発揮できていない原因を分析。イタリアサッカーを扱うYouTube番組『Cronache di Spogliatoio』に出演した際、以下のようなコメントを残している。
「鎌田が適応していない理由として、フランクフルト時代に嵌っていたポジションでプレーできていないことがある。ラツィオではメッザーラ(インサイドハーフ)でプレーしており、マウリツィオ・サッリ監督から様々なタスクが与えられている。そのような役割に慣れるための時間を与えるかどうかは、クラブと監督の選択だ。(時間を与えることが)不可能ならば、当然ながら別々の道を歩むことになる」
なおイタリア紙『イル・メッサジェッロ』は20日に「森保監督は鎌田に対して、(アジアカップで)招集する可能性が五分五分であることを伝えた」とリポート。所属クラブでの現状が、今後の代表招集に影響を及ぼす可能性もあるという。
鎌田のプレースタイルが、サッリ監督の戦術やシステムにフィットしていない可能性を指摘したターレ氏。同選手が所属クラブや代表チームでコンスタントにプレーすることを望んでいるとみられるだけに、ラツィオ退団の可能性に一定の理解を示しているようだ。
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