浦和レッズ AFCチャンピオンズリーグ

崖っぷちの浦和。GK西川周作らが反省した綻びは【ACL2023/24】

アレクサンダー・ショルツ(左)西川周作(中)ホセ・カンテ(右)写真:Getty Images

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24のグループJ第5節が11月29日に行われ、浦和レッズが武漢三鎮(中国)に2-1で勝利した。

グループステージ4試合消化時点で獲得勝ち点が僅か4と、苦境に陥っていた浦和。今第5節の勝利で勝ち点を7にまで伸ばしたものの、既に同ステージ首位フィニッシュの可能性が消滅。グループFからJ(アジア東地区)の2位チームのうち、成績上位の3つがノックアウトステージ進出という大会規定のなかで、同クラブは依然として敗退危機に瀕している。

ここでは埼玉スタジアム2002にて行われた武漢三鎮戦を振り返るとともに、浦和のGK西川周作とDFマリウス・ホイブラーテンの試合後コメントを紹介。そのうえで、崖っぷちに立たされている同クラブの戦いぶりを論評する。


浦和レッズvs武漢三鎮、先発メンバー

ルヴァン杯決勝と同じ状況に

第4節の浦項スティーラーズ戦でレッドカードを提示された、浦和のマチェイ・スコルジャ監督とMF明本考浩は今節ベンチ入り禁止ならびに出場停止処分に。ラファル・ジャナス氏(コーチ)がベンチで采配を振るうなか、同クラブはお馴染みの[4-2-3-1]の基本布陣でこの試合に臨んだ。

[5-4-1]と[5-3-2]の守備隊形で自陣や中盤に構えた武漢に対し、浦和は前半5分すぎからボールを保持したものの、攻めあぐねる。5バックのチームの攻略に手を焼く展開は、1-2で敗れた11月4日のJリーグYBCルヴァンカップ決勝(アビスパ福岡戦)と同じだった。


浦和レッズ DFアレクサンダー・ショルツ 写真:Getty Images

なぜ浦和は攻めあぐねたのか

浦和が攻めあぐねた原因は2つある。1つ目は、敵陣へ果敢に攻め上がり、ロングパスの収めどころとして機能していたDF酒井宏樹を負傷で欠いたこと。11月4日のルヴァン杯決勝でも、GK西川や最終ラインからのパス回し(ビルドアップ)が手詰まりになった際に、空中戦に強い酒井へのロングパスが浦和の突破口となっていたが、武漢戦ではこの戦法を採れず。そのため浦和の攻め手がより減った。

浦和の攻撃停滞の原因の2つ目は、ホイブラーテンとDFアレクサンダー・ショルツの2センターバックによる、ボール運搬が少なかったこと。この2人が武漢の1トップ(FWアジズ)や[5-3-2]の布陣の2トップの両脇からボールを運び、相手の中盤の選手を釣り出して守備隊形を崩す場面があまり見られなかった。

「最初(前半)のほうが我々にスペースがありましたね。武漢は高い位置からあまりプレスをかけてきませんでした。(武漢の守備を)崩すのは難しかったです。自分たちがダイレクトに裏にプレーしすぎていた(相手最終ラインの背後を直接的に狙いすぎていた)と思います」

ホイブラーテン自身も試合後の囲み取材で、自軍の単調な攻めを反省点に挙げている。先述のルヴァンカップ決勝でも2センターバックによるボール運びが少なく、これが大一番での敗戦の遠因になっただけに、浦和としては早急に改善したい課題の1つだ。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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