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DAZN値上げ・赤字の裏側に「J視聴者数の目標未達」富山が報告書掲載も削除

DAZN 写真:Getty Images

 スポーツ動画配信サービス『DAZN』は、2017年から明治安田生命Jリーグの公式戦を配信。複数回にわたる月額料金値上げ等により契約者数が減少する中、カターレ富山の公式サイトに掲載されていたDAZNの現状が話題を呼んでいる。

 DAZNは2016年8月23日に日本国内でのサービス提供を開始すると、2017年からJリーグやラ・リーガ(スペイン1部)などサッカー中継もスタート。Jリーグとは2017年から10年間で約2100億円という放映権契約を結ぶと、今年3月には契約を見直し。2023年から2033年までの11年間で約2395億円という契約内容で合意に達していた。

 DAZNの月額料金はサービス開始当初2000円弱と割安だったが、昨年2月に3000円まで値上げ。今年2月には3700円まで引き上げるとともに、格闘技やeスポーツなどを月額980円で視聴可能な「DAZN GLOBAL」というプランを新たに設けている。

 このDAZNの放映権料や月額料金値上げについては、先月28日に富山がファン・サポーター向けに開催した「第3回秋春シーズン制移行タウンミーティング」でも議題に挙がったとのこと。同クラブが一時掲載していたタウンミーティングの報告書(現在は削除)では、以下のように記されている。

 「放映権料について、当初、Jリーグはダゾーンと年間視聴者数を100万人でグリップしているが、現在は40万人程度に留まっているため、ダゾーンは大赤字となっている」

 「かつてガンバ大阪の遠藤保仁選手をひと目見ようと県総( 富山県総合運動公園陸上競技場)に13千人が来場したように、ビッグネームを獲得することがポピュラーな打開策となるが、目標設定した放映権料に必要な視聴者数、スポンサー料、各クラブに還元される配分金を割り出して全60クラブに努力を促すことや、他の放映会社を入れて競争入札するといって手法も考えられる。Jリーグには、なぜ海外リーグの放映権料が高騰したのか検証し、それをビジネスプランに落とし込んで欲しいと伝えている」

 「おそらく出てくる答えは、ロナウドが移籍してどこの放映権料が跳ね上がったとか、メッシがMLSに移籍してどうなったとか、主にビッグネームの移籍で生じる放映権料の話になると思うが、Jリーグは勝利至上のサッカー軸と華のある選手がいるプレイヤー軸の2軸をもって、どれくらいの規模感でお金が動いたか検証しているはずである」

 なおDAZN契約者数の赤字を解消するための手段として、現時点でJリーグ側は月額料金のさらなる値上げではなく、Jリーグ公式戦の視聴者数を現在の2.5倍にするための施策を検討しているという。