2023明治安田生命J3リーグは第35節までの日程が終了。残り3試合となりいよいよ大詰めを迎えている。J2からの降格組(FC琉球、いわてグルージャ盛岡)が苦戦する中、愛媛FCが早くも優勝と昇格を決めた。また、昨年不本意な結果で終えたクラブや新たにJ3へ上がってきた新興勢力が躍進を見せるなど、新たな時代の到来を予感させるシーズンとなっている。
そんな中、ここからさらに熱を帯びるのが残り1枠を争うJ2への昇格争い。ラスト3試合で最大9ポイント積み上げられることを踏まえれば、勝ち点の上では未だ約半数のクラブが可能性を残す大混戦となっている。とはいえ、上位勢が3試合すべてを落とすことは考えにくく、多く見積もっても勝ち点で2試合分6ポイント差のFC大阪までがより現実的な2位争いのボーダーラインと言えるだろう。
FC大阪は翌2024シーズンのJ2ライセンス交付が叶わず、もし2位を勝ち取れても今季の昇格はない。しかし、J3初参戦ながらの昇格圏入りとなれば昨年のいわきFC同様の快挙であり、加えてJ2の21位大宮アルディージャへの影響も大きく注目は必至だ。
ここでは、今後の波乱もありうるJ3リーグのJ2昇格圏争いについて、現在2位以下の4クラブ(2位鹿児島ユナイテッド、3位カターレ富山、4位松本山雅、5位FC大阪)の展望を見ていく。
鹿児島ユナイテッド(現在2位)
残りの対戦カードと今季戦績
- 第36節:FC今治(第2節1-1)
- 第37節:アスルクラロ沼津(第18節0-2)
- 第38節:ガイナーレ鳥取(第15節0-1)
現在2位につける鹿児島ユナイテッドは、残り3戦すべて現状トップハーフとの対戦が組まれている。今季この3つの対戦カードは1分2敗と勝てておらず、昇格に向けて大きな試練となることは間違いない。また、直近の5試合で見ても、戦績は2勝1分2敗と五分。下位勢相手の取りこぼしもあり自ら難しい状況を作ってしまったと言わざるを得ない。
特に直近のFC琉球戦(0-2)では、第23節の松本山雅戦(0-2)以来となる無得点での敗戦。好調に来ていた攻撃陣についても、もう1度立て直しが必要だ。3位富山との勝ち点差は2。1試合分の勝ち点3ポイントに満たない争いの怖さは、今季のJ2リーグにおける自動昇格圏争いを見れば火を見るよりも明らか。第28節で愛媛FCを破ったときのような勝負強さを見せられるか、なんとしても連勝で昇格を決めきりたいものだ。
カターレ富山(現在3位)
残りの対戦カードと今季戦績
- 第36節:ヴァンラーレ八戸(第15節2-1)
- 第37節:テゲバジャーロ宮崎(第6節2-0)
- 第38節:Y.S.C.C.横浜(第1節2-1)
開幕から夏前までは好調を維持し、一時は首位に立ち今季のJ3リーグを牽引してきたカターレ富山。悲願のJ2復帰に向けて順風満帆に見えたが、第16節の鹿児島戦で負け(0-2)、続く第17節には愛媛FC(3-4)との直接対決に打ち合いの末敗れて以降やや調子も下降。第23節の福島ユナイテッド戦(0-1)からの4連敗もあり、現状は3位と昇格圏外にいる。
しかし、残り3戦を考えると2位鹿児島が上位勢相手であるのに対し、富山の対戦カードは中位以下のクラブが占めている。直近5戦は鹿児島と同じ2勝1分2敗で足踏みしてしまい、勝ち点差を詰めることは叶わなかったが、残す3クラブとの今季1戦目は全勝しており、前のめりに試合へ入れる要素となっている。もちろん、鹿児島が3連勝する可能性を考えれば現状での勝ち点差2はあまりに大きな数字と言えるが、今季勝てていない上位勢相手に3連勝しなけば追いつかれるという恐怖とも戦う鹿児島を思えば、富山の逆転の目は極めて大きなものにも見える。
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