エンゼルスからフリーエージェント(FA)となった大谷翔平選手は、侍ジャパンのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝に大きく貢献。決勝アメリカ戦前に残した「憧れるのをやめましょう」という名言は、今でも多くのファンに語り継がれている。そんな中、この大谷のメンタリティーがサッカー日本代表「森保ジャパン」にも宿っていると、日本代表OBの福西崇史氏らが主張した。
福西氏は今月、自身のYouTubeチャンネルに日本代表OBの加地亮氏、中田浩二氏、坪井慶介氏、佐藤勇人氏との対談動画を公開。「なぜ日本代表がここ数年間で強くなったのか」というテーマのもと、様々な角度から森保ジャパンを深堀りしている。
その中で、佐藤氏は「(僕たちが現役の頃と違って、)今の日本代表の選手たちは日頃から戦っているメンバーが海外トップクラスの選手たち。チャンピオンズリーグ(CL)とかそうだけど」
「僕たちがW杯(2006年のドイツ大会)に出た時、Jリーグでプレーしている人とかって、(海外でプレーしている選手や対戦相手に)構えちゃったりとかあったのではないかな。大谷選手が『(対戦相手を)リスペクトするな』とかあったじゃない。あれが今回の日本代表に大きく関わっているなと思う」と、DF冨安健洋(アーセナル)をはじめ多くの選手が普段から欧州トップレベルの舞台でプレーしていることによる効果を指摘。
この佐藤氏の見解に対して、福西氏も「それはかなりあると思う」と頷くと、「俺は国内組と言われる側だった。中田英寿、中村俊輔、ジーコ監督とかそうだけど、試合に臨むまでは『うわー、テレビで見ていた人だ!』というリスペクトがちょっとあった」と、W杯出場当時の心境を振り返っている。
日本の野球界で誰もが憧れるスーパースターの大谷は、アメリカ戦前のロッカールームでチームメイトやスタッフに対して「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう」と切り出すと、こう呼びかけていた。
「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり。野球をやっていたら、誰もが聞いたことがあるような選手たちがいると思う」
「憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」
カタールW杯の舞台で、強豪ドイツとスペインを立て続けに下したサッカー日本代表。国内リーグや欧州カップ戦でスター選手とマッチアップする選手もいるだけに、強豪相手でも動じないメンタリティーが培われている。
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