素早かった最終ラインのスライド
5バックを敷く場面が多かった福岡は、湯澤聖人と前嶋洋太の両DF(両ウイングバック)のどちらかが前方へ飛び出してプレスに参加した際、最終ラインの残り4人がボールサイドへ素早くスライド。ペナルティエリアの横幅を、残された4人でしっかり埋めていた。
これらの連動性が、試合全体を通じて高かった福岡。相手にボールを保持される時間が長くても、戦い方しだいで試合を掌握できる。このサッカーの醍醐味を、芸術的な守備で証明してみせた。
浦和の敗因は
この日の浦和はサイドチェンジのパスが少なく、ゆえに福岡の守備隊形を横に揺さぶれず。前半から縦方向のロングパスが多く、攻撃が一本調子になっていた。
ホイブラーテンとショルツの2センターバックが、福岡のFW山岸の両脇からボールを運び、相手の2シャドーを釣り出すシーンもあまり作れず。釣り出された福岡の2シャドーの背後を、浦和の他の選手が突くという構図も徹底できなかったため、同クラブの攻めが手詰まりになった。
前線の選手が相手最終ライン近くに張り付きすぎるため、自軍の陣形が前後に間延びするという浦和の悪癖も、10月24日の浦項スティーラーズ戦(AFCチャンピオンズリーグ2023/24、グループJ第3節)から変わらず。後半アディショナルタイムに放たれたカンテの渾身のミドルシュートもゴールポストに嫌われ、万策尽きた。
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