Jリーグ アビスパ福岡

クラブ史上初戴冠の福岡。芸術的守備で浦和を封殺【ルヴァン杯決勝】

アビスパ福岡 DF湯澤聖人 写真:Getty Images

素早かった最終ラインのスライド

5バックを敷く場面が多かった福岡は、湯澤聖人と前嶋洋太の両DF(両ウイングバック)のどちらかが前方へ飛び出してプレスに参加した際、最終ラインの残り4人がボールサイドへ素早くスライド。ペナルティエリアの横幅を、残された4人でしっかり埋めていた。

これらの連動性が、試合全体を通じて高かった福岡。相手にボールを保持される時間が長くても、戦い方しだいで試合を掌握できる。このサッカーの醍醐味を、芸術的な守備で証明してみせた。


山岸祐也(左)マリウス・ホイブラーテン(右)写真:Getty Images

浦和の敗因は

この日の浦和はサイドチェンジのパスが少なく、ゆえに福岡の守備隊形を横に揺さぶれず。前半から縦方向のロングパスが多く、攻撃が一本調子になっていた。

ホイブラーテンとショルツの2センターバックが、福岡のFW山岸の両脇からボールを運び、相手の2シャドーを釣り出すシーンもあまり作れず。釣り出された福岡の2シャドーの背後を、浦和の他の選手が突くという構図も徹底できなかったため、同クラブの攻めが手詰まりになった。

前線の選手が相手最終ライン近くに張り付きすぎるため、自軍の陣形が前後に間延びするという浦和の悪癖も、10月24日の浦項スティーラーズ戦(AFCチャンピオンズリーグ2023/24、グループJ第3節)から変わらず。後半アディショナルタイムに放たれたカンテの渾身のミドルシュートもゴールポストに嫌われ、万策尽きた。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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