
三好が語るルーニー監督のフットボール
監督交代後最長の出場時間となった三好。ルーニー新監督が目指すフットボールについて、また第15節イプスウィッチ戦の変化について、試合後のインタビューでこう答えてくれた。
ールーニー監督就任後、ハイプレスの新しいスタイルになりましたが難しさはありますか?
三好:そうですね、この4試合勝ちがないですし。でも逆に言えば監督が代わってまだ4試合。チームとしてもやることを確認している中で、そのなかでも明確なやり方を掴んできているのかなと思います。
ー前監督下では持ち味を出せていましたが、新監督からの注文などはありましたか?
三好:自分の特徴は変わらないのであまり変わりません。相手のポケットをとって自分が得点に絡むプレーを求められていますし、そこは(ユースタス)前監督と変わっていないです。
ールーニー監督に代わって何が変わりましたか?
三好:(ルーニー監督は)誰もが知っているレジェンドで、彼の経験を踏まえて僕らに伝えてくれるところはあります。(前監督と)やろうとしているサッカーは変わる部分がありますし、監督が変わると一から競争があるのがサッカーの世界なので「自分も(どうなるか)わからないぞ」という気持ちをもってこの1ヶ月やってきました。もちろん自分の特徴が変わるわけではないので、違うサッカーの中でも自分ができることを模索しながら。チームとしても少しずつまとまりが見えてきて、自分の役割も明確になってきているのかなと思います。
ー前監督は人格者と言っていましたが、新監督はどんな人ですか?
三好:ユースタス監督より(ルーニー監督は)そんなにフレンドリーではない(笑)。なんて言えばいいんですかね、僕もあまり監督とバンバン話す感じではないですが、凄い選手だったということもあり少し距離があるのかなと。「オープンだよ」とは言ってくれていて、自分に不満のある人は直接言ってこいという感じで、そこは全然怖いとかもないです。あまりまだ掴めていないというのが正直なところです(笑)。
ー前節サウサンプトン戦などでは、選手が戸惑ってプレーしているように見えましたが、今試合までに何か変えたことはありますか?
三好:戸惑いというのは僕も含めて全員が感じている部分。そこは模索しているところです。最初はGKからビルドアップしていこうと練習の中でやってましたけど、理想と現実というか、前監督の時もそこまでポゼッション率を高めていたチームではなく、急にシフトチェンジできるほど簡単なリーグではないので。やれるサッカーとやりたいサッカーを擦り合わせながらやっているのがここ数試合かな。もっと明確にできれば方向性もまとまると思うので、そういった意味では今日の試合はいい兆しになるのかなと思います。

ルーニー監督「ポジティブな進歩が見られた」
ルーニー監督は試合後のインタビューで自信をのぞかせた。「結果は残念だったがポジティブな進歩が見られた。今日の試合で選手たちはプレスをかけることで前半イプスウィッチを苦しめた。後半疲れて不用意な失点をしてしまったがもっと改善できる」とコメント。
三好についても言及し「(右サイドの)三好と(左サイドの)バクナにはサイドから中に絞ってプレーさせたが連携がよく機能していた」と評価した。
選手として輝かしいキャリアを築いたが、監督としての実績が乏しいのが現実だ。過去に指揮をとったダービー・カウンティ(2021-2022)は降格の憂き目にあい、DCユナイテッド(2022-2023)でもプレーオフを逃すなどしており、好調だった前監督と比較されることもあって現地ファンの間では“しくじり”監督として揶揄されてすらいる。
しかし、今節のようにハイプレスで強度の高いサッカーを90分間続けることができれば、ひょっとしたらバーミンガムは2023/24シーズンで周囲を驚かせることになるのではないかと、メディア席から見ていた筆者は思ってしまった。
第15節終了時点で勝ち点19の15位に順位を落としているバーミンガムだが、目標としている昇格プレーオフ圏6位までの勝ち点差は6のみ。「自分の役割が明確になってきた」と三好が話すように、ルーニー監督の目指すフットボールが選手たちに落とし込められれば、面白いチームになるかもしれない。
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