海外日本人選手 女子サッカー

ウェストハム女子が熱い。FW植木理子参入で日本人最多WSLクラブに

ウェストハム・ユナイテッド・ウィメン リハンネ・スキナー監督 写真:Getty Images

WSL中間層脱出を目指すウェストハム女子

ウェストハムの女子チームは、ロンドンから在来線で約50分の町ダゲナムにあるチグウェル・コンストラクション・スタジアムをホームスタジアムとしている。2018/19シーズンに初めてWSLに昇格し、当時全12クラブの中で7位の成績を記録した。

その後の順位は、良くも悪くも横這いの状態だ。2019/20シーズン8位、2021/22シーズン6位、2022/23シーズンは8位。クラブとしては順位を落とすことなく、数年間キープしている中間順位から上位へと早く突破したいという想いが強くあることだろう。

今2023/24シーズン、その切り札のひとつと予想されるのがリハンネ・スキナー新監督だ。トッテナム・ホットスパー・ウィメン(2020-2023)を率いていた同監督だが、昨2022/23シーズンの9位という結果を受けて、3月に解任。この7月にウェストハムに就任したばかりである。

就任背景にはあまりポジティブなイメージを持つことはできないかもしれないが、トッテナムでの2021/22シーズンは結果を出しているスキナー監督。チーム史上初めてマンチェスター・シティに勝利し、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルからも史上初の勝ち点を得ると、リーグカップでは史上初のグループステージ突破を果たして準決勝進出。リーグでも史上最高の5位という結果で、WSLのシーズン最優秀監督にノミネートされた。

WSL史上初の女性監督としても有名なスキナー監督は、今後イングランドで女子サッカーの監督を目指す学生から、憧れの存在として注目される日が来ることもあるだろう。ウェストハムで敏腕を振るう可能性には期待がかかる。


ウェストハム・ユナイテッド・ウィメン FW植木理子 写真:Getty Images

FW植木理子加入で新デュオ誕生なるか

現在ウェストハム女子のキャプテンを務める、アイスランド代表MFダグニー・ブリニャルスドッティルは、2021/22シーズンから同クラブの得点王として活躍している選手だ。2006年のプロデビュー当時は、主に母国アイスランドを拠点にプレーしていたが、2015年からバイエルン・ミュンヘン(ドイツ1部)やポートランド・ソーンズ(アメリカ1部)などでキャリアを積んできた。

今シーズン最も楽しみなポイントは、そんな得点王のダグニーを含めたウェストハムのチームメンバーと新加入したFW植木理子が、一体どのような化学変化をもたらすのかという点だ。

既になでしこ仲間のDF清水梨紗やMF林穂之香は、植木の突き抜けるようなソロパフォーマンスの技術力やスピードを理解し、上手く合わせられている。更に新たな選手たちとの絡みにより、植木の良さをこれまで以上に引き出してくれる「最強デュオ」が誕生する可能性も極めて高い。

そんな期待もあり、2023/24シーズンのウェストハム女子にはより一層の熱い視線が集まりそうだ。同クラブのWSL初戦となるウェストハムVSマンチェスター・シティは、日本時間10月1日(日)23時にキックオフ。『The FA Player』から無料視聴が可能だ。

ページ 2 / 2

名前:Molly Chiba
趣味:自然散策、英国のあれやこれやをひたすら考えること
好きなチーム:トッテナム・ホットスパーFC

東北地方の田園に囲まれ育ちました。英国のフットボール文化や歴史、そして羊飼いやウールなどのファッション産業などに取り憑き、没入している日本人女性です。仕事のモットーは、伝統文化を次世代に繋ぐこと。

筆者記事一覧