フィリップ・トルシエ監督が率いるベトナム代表(FIFAランク95位)は9月11日、ホームにパレスチナ代表(同96位)を迎えて国際親善試合を行い、2-0で勝利した。この試合では、後半から出場したFWグエン・コン・フオンが値千金の先制ゴールを挙げるなど、所属する横浜FCで出場機会に恵まれない鬱憤を晴らすかのような大活躍を見せた。
コン・フオンのベトナム代表でのゴールは実に約2年ぶり。パレスチナ戦以前に決めた最後のゴールは、2021年12月12日に行われたAFFスズキカップ・グループステージのマレーシア戦まで遡らなければならず、トルシエ監督就任後では、これが初ゴールだった。
コン・フオンは昨年末、横浜FCに完全移籍で加入。自身2度目となるJリーグ挑戦に集中するため、AFF三菱電機カップ2022(旧AFFスズキカップ)への代表招集を辞退したことも、代表でのゴールから遠ざかっていた理由の一つだ。
ベトナム代表の歴代最多出場・歴代最多得点記録(83試合・51ゴール)を誇り、生粋の点取り屋だったレ・コン・ビン(元札幌)と比べると、コン・フオンの得点率(56試合・12ゴール)は高いものではないが、ここまで無得点が続いたことはファンを不安にさせた。コン・フオンは2021年に13試合で3ゴール、2020年は6試合出場で無得点に終わっていた。
しかし、パレスチナ戦での活躍は、ファンに復活を期待させるのに十分なものだったようだ。オフサイドラインぎりぎりから飛び出したコン・フオンは、相手GKとの一対一でも落ち着いたフィニッシュを見せ、ストライカーとして一線級であることを証明した。
なお、トルシエ監督は試合後、記者からコン・フオンのパフォーマンスについて質問された際、「全体を通すと許容範囲」と回答したが、「試合勘不足からプレーの強度、特にプレッシングの強度に欠ける」と厳しい評価を下した。
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