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福田師王ら若手のドイツ移籍急増も…内田篤人複雑「自分が良ければいいと…」

内田篤人 写真:Getty Images

 神村学園高等部出身のFW福田師王(ボルシアMG)をはじめ、ブンデスリーガ(ドイツ1部)所属クラブの下部組織へ移籍する日本人選手が増加。日本代表OBの内田篤人氏が若手選手の相次ぐ海外挑戦を前向きに捉える一方で、ドイツで成功するにあたっての厳しさを指摘した。

 ドイツ国内クラブの下部組織では、福田やDFチェイス・アンリ(VfBシュツットガルト)など複数の日本人選手がプレー。MF上月壮一郎が昨年12月にシャルケのトップチームへ昇格したほか、今年6月にはMF水多海斗がマインツ下部組織からドイツ3部アルミニア・ビーレフェルトへ完全移籍するなど、ステップアップを果たす選手も見られる。

 また先月には、明治大学体育会サッカー部4年のFW佐藤恵允がベルダー・ブレーメンへ加入。Jリーグクラブを経由せず、ドイツへ行く選手が今後増加するとの見方も広まっている。

 この若手選手の相次ぐドイツ挑戦は、DAZN制作『フットボール・タイム』でも話題に。メインMCの内田氏は「すごいね、そのガッツ。日本いるんだよな、そういう選手」と感嘆した一方、トップチーム昇格の難しさについて以下のようなコメントを残している。

 「タフになれる環境があるので、若い選手にとっては良いと思う。ただ難しいよ。みんなそんなヤツばかりだから。チームの中で自分の能力を出してくれるか言えば、そうではない。『お互いに頑張って試合で勝利しよう』ではなくて、個人昇格だから。『自分が良ければいい』という考えを持った選手が多いと思う。その中での競争に勝たなければならないというのは、厳しい」

 また内田氏はU23チーム所属選手の立場について、自身がシャルケでプレーしていた2010年代と現在で違いがあると指摘した。

 「僕がシャルケでプレーしていた時は、U23から(トップチームに)昇格させるというのはほぼ無かった。あげるならU19から。(U23は)U19でトップチーム昇格を果たせなかった選手がとりあえる所属するというイメージ」

 「今はドイツ3部など別のチームが引っ張ってくるというのがある。(上月がシャルケのトップチームに練習参加して昇格をつかんだが、)そのあたりの価値観や考え方が変わってきているかもしれない」