勝因1:ペナルティーエリアへ相手と同数で侵入
クロスに対する中の選手の入り方として、ニアサイド(クロスを上げる人に近いエリア)とファーサイド(クロスを上げる人に対し遠い人)の両方を確保することが基本とされている。そんななかで名古屋はクロスに対し、新潟と同じ人数を各ポジションに配置することで確実にゴールを奪った。
象徴的なシーンは先制点の前半14分だ。和泉のクロスに対し、ゴール前ではユンカーと森下が構え、ファーサイドにはMF永井謙佑が走りこんでいた。このように攻撃に対し、ペナルティーエリア内では人数をかけることで得点の可能性をあげている。
勝因2:守備時に5枚でブロック形成
守備の時になると名古屋は、両サイドの森下と野上が最終ラインまで戻り、5枚で最終ラインを形成した。こうすることでボール保持率で優位であった新潟は、名古屋ゴール近くまで侵入する回数が少なくなり、ロングボールを放り込むしかなくなる。
象徴的なシーンは後半6分。新潟は右サイドでMF高宇洋とDF藤原奏哉が崩そうとするもできず、高は裏に走りこんだMF三戸舜介へロングボールを入れるも決定機にはならなかった。名古屋は守備ブロックを作ることで相手攻撃の選択肢を減らすことができていた。
勝因3:前線の守備強度
後半8分と13分の名古屋のチャンスシーンは、どちらも前線からの守備から生まれた決定機であった。名古屋は闇雲に走って前から追いかけているわけではない。それはチーム走行距離からわかるが、走行距離だけ比較してみれば、名古屋と新潟は走っている距離は同じである。
違いは前線の選手たちのスプリント回数(時速25km以上のスピードで1秒以上走った回数)だ。特にMF同士で比較すると、名古屋の方が新潟よりも平均3倍ほどスプリント回数が多かった。これは攻撃のみならず、守備でもスプリントしていることが要因の1つだろう。効果的にスプリントすることで、名古屋は前線から圧力をかけることができていたと言える。
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