西村恭史(長野パルセイロ)
2021シーズンからギラヴァンツ北九州(当時J2)で、今季からはJ3の長野パルセイロで武者修行を続けるMF西村恭史。アンカーや1列前などで出番を得て、より万能な選手として成長を続けている。
思い起こせば2020年、清水では開幕戦でスタメン出場してJリーグデビューを果たし、チームは敗れたものの質の高いパフォーマンスを発揮していた西村。期限付き移籍後も毎年ゴールとアシストをマークし、今季はここまで全試合に出場して2ゴール1アシスト。長野の主力として躍動している。
持ち味は何といってもその長身。それでいて繊細な技術を持ち合わせているのも魅力だ。セットプレーのターゲットにもなれる185cmは、今の清水の中盤を構成する選手たちにはない魅力と言えるだろう。高身長が活きる場面は攻撃だけではない。今季長野ではアンカー起用される試合も多く、その守備範囲の広さを買われていることも見て取れる。
中盤からのつなぎの技術も高い。とりわけ、動き出しや判断力の速さが売りの清水の攻撃陣と組めば、如実にその能力を発揮できる場面が多いことは想像に難くない。とはいえ、清水の同ポジションを見ると、仮に西村が帰還したとしてもファーストチョイスになるかはまだ疑問が残る。
すでに3シーズン目に入った西村の武者修行。現在、長野はJ3で苦戦を強いられているが、西村自身が清水へ戻り主軸となるためにも、チームを苦境から救い出す活躍が求められる。
滝裕太(松本山雅)
2018年に清水のユースからトップチームに昇格し、翌2019年のJ1第2節でリーグ戦デビューを飾ったMF滝裕太。このデビュー戦では途中出場ながら得点もマーク。以降、先発での出番こそ少ないものの、清水で挙げた3ゴールはいずれも途中出場からと、デビュー当初から勝負強さを見せていた。
今季は、自身2度目の武者修行としてJ3の松本山雅へ期限付き移籍。ここまで17試合に出場し、左右どちらのサイドでも出場機会を得ている。序盤戦はなかなかゴールやアシストなど目に見える結果は上がっていなかったが、6月以降は3ゴール2アシストと徐々に調子を上げてきた印象。フリーになる動き、こぼれ球への反応速度といった持ち味を発揮しながら、その能力を磨き続けている。
今季の清水はJ2への降格を味わいつつも戦力は充実している。そのため、攻撃的なポジションを複数こなせる滝が期限付きで他クラブに出されたとの見方もできるだろう。もちろん成績によって来シーズンの陣容には変化が出るだろうが、それでも滝と同ポジションの選手にはユース出身の選手も含めて実力者が揃うことは間違いない。
来季、清水へ戻ることを考えるのであれば、出場機会の確保やスタメン奪取のためにも今季は目に見える形での活躍と成長が求められる。J3も後半戦へ入っていく中で、どこまで数字を伸ばし自身の価値を証明できるのか、松本での活躍を期待したい。
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