ラ・リーガ レアル・マドリード

G7広島サミット参加ブラジル大統領も非難。レアルFW人種差別被害で声明

G7広島サミット(ルラ大統領は岸田首相の右斜め後方) 写真:Getty Images

 レアル・マドリード所属のブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールに対する人種差別が波紋を呼んでいる。同選手は今月21日のラ・リーガ(スペイン1部)第35節バレンシア戦で相手サポーターから侮辱行為を受けたが、G7広島サミットの拡大会合に参加していたブラジルのルラ大統領が人種差別を非難している。

 バレンシアのホームスタジアムで行われた一戦では、70分すぎにバレンシア所属DFキュメルトがヴィニシウスを目掛けてボールを蹴ったことから乱闘騒ぎに発展。すると、バレンシアサポーターがヴィニシウスに対して人種差別的なチャントを熱唱。試合は10分近くの中断をへて再開されたが、ヴィニシウスは後半アディショナルタイムにFWウーゴ・ドゥロへの暴力行為により一発退場となった。

 このヴィニシウスに対する人種差別行為をうけて、広島市で開催の先進7カ国首脳会議(G7)に参加していたルラ大統領が声明を発表。22日に広島市内で行われた記者会見で「人生で勝利を収め、世界最高の選手になりつつある貧しい少年が、スタジアムで不快な思いをするのはフェアではない。彼は間違いなくレアル・マドリードで最高の選手だ」と、同選手を擁護。

 「大事なのは、国際サッカー連盟(FIFA)やラ・リーガ、そして各国のリーグが行動を起こすことだと考えている。スタジアム内でのファシズムや人種差別が許されないからだ」と、人種差別撲滅にむけて関係各所に働きかけた。

 同選手への差別行為については、フラヴィオ・ディーノ法務・治安大臣などブラジル政府の閣僚も相次いで声明を発表。政界でも波紋を呼んでいる。