2023シーズンの約三分の一を終えた明治安田生命J1リーグ。選手の活躍度を測るスタッツ(試合データ)は、ゴール数、アシスト数、パス数、シュート数に始まり様々あるが、ここではJリーグの公式記録「JSTATS」から、スタッツ・キングを選出しよう。5月9日時点で「1つの項目以上でトップ」且つ「合計2つ以上の項目で3位以上」に名を連ねる9名の選手を紹介する。
1つの項目であれば、チームのスタイルや状況によって上位に入ることもあるが「2つ以上」は紛れもなく選手の実力と言えるだろう。今後の試合を観戦する際、この9名の選手に注目することで新たな楽しみ方ができるのではないだろうか。
FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)
ゴール数1位、ラストパス数2位、シュート数3位タイ(@JSTATS)
12試合中勝ち点26を得て首位に立つヴィッセル神戸。4-1-2-3システムの頂点に位置する元日本代表ストライカー大迫勇也は、首位チームのFWに相応しいスタッツを残している。
ゴール数9、シュート数27。決定率は33.3%を数えることからも、シュートチャンスが多く、そのチャンスを的確に活かせていることが分かる。また、自力でシュートに持ち込むだけでなく、ラストパス数も24と多い。5月18日に33歳を迎えるベテランストライカー大迫は、キャリアハイ(2013シーズンの19得点)を更新する勢いの活躍を見せている。
MF山口蛍(ヴィッセル神戸)
インターセプト数1位、こぼれ球奪取数1位(@JSTATS)
FW大迫勇也がヴィッセル神戸の最前線の柱ならば、同じく元日本代表のMF山口蛍は同クラブの中盤の柱だ。ここまで全試合フルタイム出場を続け、インターセプト数13、こぼれ球奪取数は66といずれもトップ。
球際の強さはもちろん、読みの早さ、周囲との連携などを併せ持つからこその数字だろう。アンカーの位置に新加入のMF齊藤未月がいることで、勇気を持って前に出られることも大きい。このまま首位をキープするためには、中盤の柱を欠かないことが重要になる。
FWエウベル(横浜F・マリノス)
アシスト数1位、スルーパス数3位(@JSTATS)
2023シーズン開幕より、ややスタートで躓いたものの現在2位へと浮上した王者、横浜F・マリノス。用いる4-2-1-3システムにおいて、左ウイングにFWエウベルがいる効果は絶大だ。
ここまで全試合にスタメン出場し、12試合で4得点6アシストを記録。チーム全体の25得点のうち10得点に絡んでいる。スルーパス数も36と多く、ゴール近くでボールを受けると何でもできてしまう選手といえるだろう。
DF畠中慎之輔(横浜F・マリノス)
パス数1位、クリア数3位タイ(@JSTATS)
横浜F・マリノスの守備の要であるDF畠中慎之輔。チームの1試合平均パス数はリーグ全体で4位のため、いかに組み立てで畠中を経由するケースが多いかが分かる。パスの成功率も84.3%と高く、ボールを握りながら相手を崩そうとする横浜のサッカーには不可欠な存在だ。
クリア数も64と非常に多く、危機察知能力にも優れている。センターバックコンビを組むことの多いDF角田涼太朗が、5月9日に右第五中足骨骨折と発表されたため、昨2022シーズン王者が連覇を果たすためには、より一層畠中の頑張りが必要になる。
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