
4月22日~23日にかけて行われた、2023明治安田生命J1リーグの第9節。上位勢では、現在首位を走るヴィッセル神戸と王者横浜F・マリノス(3位)が激闘を演じ、3-2で横浜FMが勝利。下位勢では、16位ガンバ大阪の猛攻に耐える18位横浜FCという構図が見られ、引き分け(1-1)に終わるなど、各地で熱戦が繰り広げられた。
ここでは、そんなJ1第9節で活躍した選手たちを、ベストイレブン形式で紹介していく。

GK:キム・ジンヒョン(セレッソ大阪)
前半に挙げた「虎の子の1点」を守り抜き、第9節で連勝を果たしたセレッソ大阪(対柏レイソル1-0)。守備陣の奮闘も目立った中、特にGKキム・ジンヒョンの冷静さは群を抜いていた。ハイボール処理時のパンチング、キャッチングの判断力にも優れ、自陣でのつなぎや前にピタリとつける縦パスなど、視野の広さも見せていた。次節は現在5位につけるサンフレッチェ広島戦。勝てば一気にC大阪の上位進出(現在7位)もありうるが、広島は今節は敗れるもここまで多くの接戦を制してきている相手なだけに、キム・ジンヒョンを軸とした守備陣の一層の活躍に期待したい。

DF:中谷進之介(名古屋グランパス)
第9節で連勝を狙った名古屋グランパスだったが、惜しくも終盤に与えたPKによる失点もあり引き分けに終わった(対湘南ベルマーレ2-2)。そのPKを与えてしまったDF中谷進之介だが、この試合はセットプレーの流れから狙い通りであろう見事なゴールも叩き込んでいる。2失点と守備での課題も出た中、得点力不足に悩んだ昨シーズンを考えれば、セットプレーからデザインされた形で生まれた得点は大きなものだと言える。次節以降も、セットプレー時の中谷の強さから目が離せない。

DF:荻原拓也(浦和レッズ)
リーグ戦6試合負けなしと好調の浦和レッズは、今第9節で開幕から苦戦続きの川崎フロンターレと対戦。結果は1-1のドローと勝利を得ることはできなかったが、これで7試合負けなしとなり、月末に迎えるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に弾みをつけた。そんな試合の中でも、攻守に献身的な姿勢を数多く見せたのが、左サイドバックに入ったDF荻原拓也だ。終始上下動を繰り返し、川崎のMF家長昭博とのマッチアップでも決して譲らず、貴重な同点弾のシーンではアシストも記録するなど、まさに八面六臂の活躍を見せた。

DF:中村帆高(FC東京)
5試合ぶりとなる白星を挙げた第9節のFC東京(対サンフレッチェ広島2-1)。試合の流れを掴む先制点を挙げたのがDF中村帆高だ。開始早々に得たフリーキックを頭で合わせてゴールを挙げると、オーバーラップからのマイナスのクロスで2点目も演出。守備でも内側まで絞って身体を張るなど攻守に渡って躍動した。

MF:松木玖生(FC東京)
連勝街道を突っ走るサンフレッチェ広島を相手に、激闘を制してリーグ戦で久々の勝利を得たFC東京(2-1)。そんな貴重な勝利の立役者の1人が、今2023シーズンも19歳とは思えない圧巻のパフォーマンスを見せ続けるMF松木玖生だ。先制点を演出した高精度のフリーキックはもちろん、終盤まで冷静かつ安定したつなぎの正確さと展開力の高さを見せた。

MF:ディエゴ・ピトゥカ(鹿島アントラーズ)
何としても連敗をストップしたい鹿島アントラーズ。今第9節は前節劇的な勝利を収めているアルビレックス新潟のホームに乗り込み、見事6試合ぶりの勝利を挙げた(2-0)。中でも、中盤の底でパスコースに入り続け、相手にリズムを作らせなかったMFディエゴ・ピトゥカの働きは大きかったと言えよう。パスカットと簡単には前を向かせないポジション取りに加え、味方を落ち着かせるようなパス回しで90分間安定した働きを見せてくれた。
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