
ファンの「青援」はまだまだハングリー
当日は悪天候に加え、気温も10度以下だった為か入場者数は823人。通常のホーム試合の際には、平均で約2000人という状況だそうだ。WEリーグはまだ走り出したばかりと言うのもあり、現状はスタジアムを埋め尽くす程には至っていないが、おそらく数年で来場者数もあっという間に上昇するのではないかと筆者は大きな期待を抱いている。また、来場者は圧倒的に男性が多く、特に興味深いことに1人観戦している方の姿が多く見受けられた。
試合が開始されるや否や「マイナビせんだいっ!!」と青援(マイナビブルーの青と声援を掛け合わせた造語)がスタジアム中に力強く轟き、太鼓の音に合わせて1人観戦をしている人々も、徐々にリズムにあわせて手拍子をする。今後少しずつ来場者が増えてきて、青援がはち切れんばかりの満腹となる日がとても楽しみだ!

大注目のFW松窪初得点にサンキュー!
マイナビ仙台では、グッズ売り場でも名前の上がった背番号14番のFW松窪真心が注目されている。2004年生まれの松窪は、今シーズンから同クラブでプロデビューを果たしたばかりの新星メンバーだ。各年代別で日本女子代表に選抜されており、2022年のU-20女子ワールドカップでは5試合出場中1得点を挙げている。
先発3試合目の出場となる当日の日テレ・ベレーザ戦でも、今年(2023年)JFAアカデミー福島を卒業したばかりとは思えない冷静な動きを終始見せていた松窪。マイナビが日テレに2得点を許したまま後半戦へと突入し、まずは1得点を決めて流れを変えたいところだった。背番号10番のMF中島依美がゴール前でキレのあるパスを出すと、後方に控えていた松窪が瞬時に反応。得点のチャンスを掴み、左足で冷静にゴールへと叩き込んだ!自身プロ入り初のスコアを獲得したのである。
結果はマイナビが1-2で敗れたが、朝から降り続いていた雨もなんのその、ファンにとっても松窪にも記念すべき輝かしい日となった。松窪がスコアを決めた瞬間には、同クラブの「サンキュー!アンバサダー」芸人パンサー尾形貴弘氏(吉本興業所属)がスタジオ内スクリーンに映し出され、得点時のお約束の掛け声「サンキュー!!」と、続く会場のファンの「サンキュー!!」の声が、スタジアムに鳴り響いた。

WEリーグの良さは現場にあり!
WEリーグには『女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する』という理念がある。実際に、筆者は試合当日の会場の雰囲気や、グッズ商品にフードメニューの企画など全体を通して、WEリーグの理念やビジョンを体感することができた。
今後、同リーグを広く周知し真の目的を理解してもらうためには、多くの人々が各地域のスタジアムを実際に訪れることから、きっかけは生まれるのではないだろうか。ライブ配信では得ることの出来ない、現場に溢れている「個々の選手たちの輝き」を、多くの人々に知ってもらえる日が待ち遠しい。
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