福岡のロングパス攻勢に屈する
湘南の山口智監督は、後半39分にDF舘幸希とMF山田直輝を投入し、布陣を[3-4-2-1](自陣撤退時[5-4-1])に変更。この直後に福岡の長谷部茂利監督もDF前嶋洋太とFW佐藤凌我を投入し、[4-1-3-2]への布陣変更を行った。
両軍が布陣を変えた直後は、湘南のFW町野修斗が福岡のMF中村駿を捕捉し、FWタリクと山田がホームチームの2センターバック(奈良竜樹と宮大樹の両DF)に睨みをきかせる作戦が機能していた。しかし町野がピッチから退いた後半44分以降、アウェイチームの守備の段取りが曖昧に。ハイプレスから自陣への撤退守備へ徐々に移行し、こぼれ球の回収に専念する意図が窺えたが、福岡のロングパスの出どころを潰す作業が疎かになったため、湘南は劣勢に立たされた。
後半51分には、センターサークル内でボールを受けようとした福岡のDF宮へのタリクの守備対応が遅れており、簡単にロングパスを繰り出されている。この浮き球を収めようとした福岡の長身FWウェリントンに対する、湘南陣営のマークの受け渡しも失敗。ウェリントンのヘディングパスが起点となり、福岡のFW山岸が同点ゴールを挙げている。湘南にとっては複数の守備エラーが重なり、悔やまれる失点となった。
今季のリーグ戦全5試合で失点を喫している湘南が今後磨き上げるべきは、言うまでもなく試合終盤の守備である。町野が交代で退くまでは前線からの守備は機能していただけに、途中投入される選手のタスク遂行能力や戦術理解力が、今後重要になってくるだろう。
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