Jリーグ 鹿島アントラーズ

【J1リーグ2023】鹿島が横浜FMのパスワークを止めきれなかった理由

鈴木優磨(左)角田涼太朗(右)写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグ第5節の全9試合が3月18日と19日に各地で行われ、鹿島アントラーズは18日、敵地の日産スタジアムで横浜F・マリノスと対戦。最終スコア1-2で敗れた。

ハイプレスからの速攻をなかなか繰り出せず、試合の主導権を握りきれなかった鹿島。横浜FMの自陣後方からのパス回しを止めきれなかった原因は何か。ここでは、この点について解説する。


横浜F・マリノス DF畠中槙之輔 写真:Getty Images

曖昧だった畠中や角田への対応

鹿島は第2節の川崎フロンターレ戦と同じく、キックオフ直後からFW鈴木優磨を起点にハイプレスを仕掛ける。基本布陣[4-1-2-3]のセンターFW鈴木が、横浜FMの畠中槙之輔と角田涼太朗の両DF(2センターバック)の監視役を担ったほか、樋口雄太と土居聖真の両MFも、横浜FMのMF渡辺皓太と喜田拓也を捕捉。横浜FMのDF永戸勝也が左サイドから内側に入って攻め上がった際には、鹿島の右ウイングFW藤井智也が帰陣し、守備対応を行った。

横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ、先発メンバー

鹿島のFW鈴木と、基本布陣[4-2-1-3]の横浜FMの2センターバック畠中と角田による「1対2」の数的不利が生じたため、アウェイチームは敵陣でなかなかボールを奪えず。横浜FMの2センターバックに対し、鈴木と知念慶の両FWでプレスをかけるのか、それとも樋口と土居の2インサイドハーフの片割れが前線に飛び出して守備を行うのかが曖昧に。これにより鹿島のハイプレスは機能せず、自陣への撤退守備を余儀なくされた。

この鹿島の守備の綻びが如実に表れたのが、前半4分の横浜FMの攻撃シーン。ここでは自陣でボールを受けた横浜FMのセンターバック角田に対し、鹿島のインサイドハーフ土居が遅れ気味にアプローチしたものの、間に合わず。その後鹿島のMFディエゴ・ピトゥカが中盤でボールを回収しかけたが、横浜FMに奪い返され、最終的にはホームチームのMF水沼宏太のシュートを浴びている。この場面を境に、鹿島の選手たちはボールの奪いどころやハイプレスの段取りを見失った。

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名前:今﨑新也
趣味:ピッツェリア巡り(ピッツァ・ナポレターナ大好き)
好きなチーム:イタリア代表
2015年に『サッカーキング』主催のフリーペーパー制作企画(短期講座)を受講。2016年10月以降はニュースサイト『theWORLD』での記事執筆、Jリーグの現地取材など、サッカーライターや編集者として実績を積む。少年時代に憧れた選手は、ドラガン・ストイコビッチと中田英寿。

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