川崎に攻略されかけたハイプレス
横浜FMが今後磨くべきは、相手の隊形変化への対応力だろう。
MF陣をマンツーマン守備で捕捉された川崎は、センターバックのDFジェジエウと右サイドバックのDF山根視来の間に脇坂が降りる形を前半の途中から採用。これにより横浜FMは渡辺が脇坂に密着し続けるのか、それとも3トップにマークを受け渡すのかが曖昧になり、サックスブルーの背番号14にパスを捌かれる場面が増えていった。
山根が橘田の隣へ移動し、ビルドアップに加わった際の横浜FMの守備も、整理されていたとは言い難い。前半19分に山根がこの位置でボールを受けようとした際、渡辺が脇坂のマークを捨ててここにプレスをかけたが間に合わず。チョン、山根、橘田、FW宮代大聖の順でボールが渡ると、佐々木のスルーパスを受けた遠野が横浜FMのGKオビ・パウエル・オビンナとの1対1の局面を迎えている。オビのファインセーブにより横浜FMは失点こそ免れたが、最終ラインを高く保ち、ハイプレスをかけ続けることのリスクが浮き彫りとなった場面だった。
今後も横浜FMがハイラインとハイプレスを貫くのであれば、内側に移動した相手サイドバックのマークを、誰が受け持つのかを明確にする必要がある。それができないのであれば、ハイプレスを諦めて自陣への撤退守備に移行するしかない。
今節は吉と出たハイリスクなプレッシングの練度を高められるか。これが昨年J1リーグを制した横浜FMの連覇の成否を左右しそうだ。
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