プレミアリーグ

プレミアクラブのユニフォーム進化検証!アーセナル、マンC、ニューカッスル

元ニューカッスル・ユナイテッド FWデイビッド・ケリー 写真:Getty Images

ニューカッスル・ユナイテッド

プレミアリーグ創設時(1992/93シーズン)のユニフォーム

  • 製造元:アンブロ
  • スポンサー:ニューカッスル・ブラウンエール

アーセナルとシティに比べると、ニューカッスル・ユナイテッドのユニフォーム全体の型はかなりスタンダードなタイプで、袖も普通のTシャツ型。しかし大胆なスポンサーの星マークがど真ん中にデザインされているのは、見逃せないポイントだ。

当時のスポンサーは同クラブの本拠地、イングランドのニューカッスル・アポン・タインで有名なビールの醸造所だった!地元の企業とクラブという部分では、ニューカッスルサポーターとしてはきっと嬉しい組み合わせだったに違いない。

周囲のサポーターから「ブルースター」という愛称で呼ばれたユニフォームで、現在でも非常に人気が高いデザイン。星の中にはニューカッスル地域を象徴する景観が描かれており、タインブリッジと呼ばれている半月型の美しい橋に、セント・ニコラス大聖堂など、非常に細かな細工が封じ込まれている。

ニューカッスル・ユナイテッド  MFミゲル・アルミロン 写真:Getty Images

現在(2022/23シーズン)のユニフォーム

  • 製造元:カストア
  • スポンサー:FUN88

ニューカッスルのニックネーム「マグパイズ(日本語でカササギの意味)」を象徴する白黒は変わらず、縦ストライプを維持したまま襟だけが役目を終えた程度で、あまり変化は感じられない現在のユニフォーム。しかしながら、ストライプは洗練された配列に修正され、袖口などはかなり身体にフィットするように計算されている。他クラブのユニフォームよりも、より伸縮性が高くぴっちりと密着するタイプのデザインという印象だ。

現地メディアによれば、オンラインベッティング企業「FUN88」との長期契約も2023〜24年頃には終了するという情報もある。次回のスポンサーはどんな企業になるのか注目だ。ひょっとしたら90年代に大人気だった、ブルースターユニフォームの時代がまたやってくるかもしれない!


90年代と現代ユニフォームの違いはサイズ感

アーセナル、シティ、ニューカッスルと3クラブを例にあげてみたが、いずれも90年代のユニフォームに共通するのが、大きめのサイズと手の込んだデザインであることだ。現在は、ユニフォームの規則が変化してきた影響もあるが、非常にシンプルである(もちろん例外もある)。

90年代のサッカー映像を見ていると、かなり緩めのショートパンツに、ゆったりとしたシャツを着用した選手たちを確認できる。実際にプレーをしている選手たちは、現代の高機能で伸縮性抜群のユニフォームと、90年代の洋服感の残るユニフォームでは、どちらが好みか気になるところだ。

また生地素材の違いも顕著で、大昔は綿やウールからスタートし、90年代は化学繊維などのポリエステルが主流となり、次第に伸縮性が加わり始めた。そして現在ではリサイクル素材を使用していることが、ほぼ当たり前の状況へと移り変わっている。

たかがユニフォーム。しかし、たった1枚のユニフォームにも、その時代とクラブの歴史が詰め込まれているのだ。

ページ 3 / 3

名前:Molly Chiba
趣味:自然散策、英国のあれやこれやをひたすら考えること
好きなチーム:トッテナム・ホットスパーFC

東北地方の田園に囲まれ育ちました。英国のフットボール文化や歴史、そして羊飼いやウールなどのファッション産業などに取り憑き、没入している日本人女性です。仕事のモットーは、伝統文化を次世代に繋ぐこと。

筆者記事一覧