2022年12月28日に開幕した第101回全国高校サッカー選手権大会。各都道府県代表48校(東京都は2校)がトーナメントで競う中、ベスト4が出揃った。高校サッカーの頂点を決める熱き戦いも決勝戦を含め残り3試合となっている。
1月7日に国立競技場で開催される準決勝は、神村学園高校(鹿児島)VS岡山学芸館高校(岡山)、東山高校(京都)VS大津高校(熊本)。果たして、ファイナリストになる2校はどこになるのか。ここでは選手権ベスト4に残った各校の、これまでの戦いぶりと準決勝の見どころをみていく。
神村学園高校(鹿児島)vs岡山学芸館高校(岡山)
大会前、神村学園では、MF大迫塁とFW福田師王に注目が集まった。しかし開幕後は決してこの2人だけのチームではないことを証明している。
神村学園のここまで1番のシーンは、1月4日の準々決勝青森山田(青森)戦であろう。前回大会王者であり4大会連続ファイナリストである青森山田に対して、2-1の逆転勝利をみせた。センターの福田が体を張ってボールを収め、そこから両サイドをワイドに使った攻撃は相手ディフェンスに的を絞らせず。特に左サイドのMF金城蓮央は1年生にして小柄ながらも、青森山田のディフェンスラインを何度も切り裂いた。FW西丸道人も輝きを放った1人。青森山田の選手たちはこの2年生の西丸を最後まで捕まえきることができず。独特なステップから素晴らしい同点ゴールを生んだ。
対するは、初のベスト4進出を果たした岡山学芸館。準々決勝で佐野日大(栃木)の壁を壊したのは彼らの美しいサッカーであった。また「美しく勝つ」をチームスローガンとして掲げていた国学院久我山(東京)をも2回戦で撃破している。
岡山学芸館の「美しさ」を証明するかのような準々決勝。特に3点目のシーンでは、FW山田蒼がセンターでボールを確実に収め、FW今井拓人へ落とす。この時の今井のポジショニングが大変よく、自分でシュートも狙え、左サイドを駆け上がってきたMF木下瑠己へパスも可能なアングル(体の向き)を取っていた。そのため佐野日大ディフェンス陣も今井へ寄せることができず、中途半端なポジショニングとなり、木下へのパスは対応することができなかった。誰でも点を取ることができるのが、岡山学芸館の強さの秘訣であろう。
そんな神村学園と岡山学芸館の準決勝。どちらも攻撃が魅力のチームなだけに落ち着いた試合展開にはならず、打ち合いになることが予想される。打ち合いを制するのはどちらになるか。
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