
ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)
W杯という舞台を語る上で、欠かせないのが元アルゼンチン代表FWディエゴ・マラドーナと言えるだろう。アルゼンチンの優勝に大きく貢献したということはもちろん。「神の手」や「5人抜き」といった象徴的なプレーで大舞台を湧かせたというのも大きな理由だ。
一方で、マラドーナ自身にとっては不本意だろうが、W杯の去り際も歴史に名を残す1つの要因と言える。キャプテンとして挑んだ1994年のアメリカW杯。強力な攻撃陣の一角を担ったが、ドーピング検査で使用禁止薬物が検出され大会から追放されている。
アルゼンチンではしばしば、有望な選手を指して「マラドーナの後継者」と呼ぶことがある。今カタールW杯でアルゼンチンを決勝まで導いたFWリオネル・メッシは、該当する選手として長く期待を背負ってきた。実績を見れば、メッシはマラドーナと比較しても余りあるほどの名声を手に入れている。しかし、W杯というタイトルを手にしていないことは確かだ。今大会でアルゼンチンの優勝が叶ったときはじめて、メッシはマラドーナの後継者論争に終止符を打てるに違いない。

フランツ・ベッケンバウアー(ドイツ)
「皇帝」の愛称で親しまれるドイツの英雄、元ドイツ代表DFフランツ・ベッケンバウアーもW杯の歴史に欠かせないレジェンドの1人だ。選手としては1974年、地元西ドイツW杯でヨハン・クライフ率いるオランダとの決勝戦を2-1で制し優勝に貢献。その後は代表監督となり、1990年のイタリア大会で監督としてもW杯を制し、W杯史において現フランス代表のディディエ・デシャン監督を含め3人のみが持つ、選手、監督の両方でW杯を制した記録を残している。
また、2006年のドイツ大会では、W杯組織員会の委員長を務め大会運営に尽力。選手として3回、監督として2回、そして組織委員として1回の計6回W杯を経験した。2010年には国際サッカー連盟(FIFA)の理事も退任し、表舞台からは姿を消している。しかし、ベッケンバウアーのW杯での功績は後世まで語り継がれることだろう。
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