FIFAワールドカップ・カタール2022の決勝トーナメント1回戦が12月6日(日本時間)に行われ、日本代表とクロアチア代表が対戦した。
前半43分に堂安律がショートコーナーを仕掛け、鎌田大地、伊東純也を経由した後に同選手が右サイドからクロスを送ると、このパスを吉田麻也が折り返す。こぼれ球を前田大然が左足で押し込み、日本代表が先制した。
試合全体を通じ、日本代表は粘り強い守備を見せたが、後半10分にデヤン・ロブレンのクロスからイバン・ペリシッチのヘディングシュートを浴び、同点に追いつかれる。1-1で90分間の戦いを終え、15分ハーフの延長戦でもスコアは動かず。PK戦で南野拓実、三笘薫、吉田のシュートを相手GKドミニク・リバコビッチに止められたことで、日本代表の敗退が決まった(PK戦スコア1-3)。
先制点を挙げながら、クロアチア代表の巧みな試合運びに屈した日本代表。初のW杯ベスト8進出という、新しい景色に到達できなかった原因は何か。今回はこの点について分析する。
権田とDF陣の奮闘で持ちこたえる
基本布陣[3-4-2-1]の日本代表は、遠藤航と守田英正の2ボランチがクロアチア代表の[4-1-2-3]の2インサイドハーフを監視。相手の中盤の底マルセロ・ブロゾビッチには基本的に1トップの前田がマークに付き、ハイプレスからのボール奪取や速攻を狙った。
この日本代表の守備に対し、ルカ・モドリッチとマテオ・コバチッチの2インサイドハーフが適宜最終ライン付近へ降り、遠藤や守田を釣り出そうとする。この駆け引きがキックオフ直後より続いた。
モドリッチとコバチッチの狙いを察知したのか、遠藤と守田は敵陣まで深追いしなくなり、日本代表の守備隊形も[5-4-1]に移行。高めに設定した最終ラインの背後をロングボールで狙われ続け、前半8分には冨安健洋との1対1を制したペリシッチにペナルティエリア内でシュートを放たれたが、GK権田修一やセンターバックの吉田と谷口彰悟をはじめとする守備陣が身を挺して防いだ。後半10分の失点シーンでは日本代表の守備隊形は整っており、正確無比なクロスを送ったロブレンと、ジャストミートのヘディングを繰り出したペリシッチを褒めるべきだろう。
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