3位:権田修一
言わずと知れた日本代表の守護神、GK権田修一も手放せない選手であることは間違いない。失点こそリーグで3番目に多い清水だが、数々の権田のスーパーセーブがなければさらに多かったことも考えられる。また、時折高精度のパントキックを見せ好機を演出するなど、日本代表という肩書抜きにしても改めて能力の高さを見せた1年だった。
2022シーズンはキャプテンとして、後方からチームを鼓舞し続けた権田。J2降格という結果には責任を感じていることだろう。しかし、去就に関してはやはり現役の代表GKを他クラブが放っておくとは思えない。守備面での不安が拭えないシーズンを繰り返している清水。キャプテンであり代表の守護神でもある権田がクラブを去るようなことになれば、J2でも一層守備面の不安が表面化する恐れもある。
2位:山原怜音
大卒ルーキーながら1年を通して堂々たるプレーを見せたDF山原怜音。高さはないが、無尽蔵のスタミナと前への推進力を有し、セットプレーも含め高精度のクロスを武器にチーム最多となる8つのアシストを記録した。また、時折見せるミドルシュートも強烈なものを持っており、球種も豊富で将来的には代表での活躍も期待できるだろう。
ホットラインと言われたFWチアゴ・サンタナ以外にも、現在の清水にはFWオ・セフン、MFベンジャミン・コロリなど高さと強さを兼ね備えた選手が多く在籍している。さらに来2023シーズンには日本大学藤沢高等学校より198cmの大型FW森重陽介の加入も内定しており、山原の正確なクロスやセットプレーの生きる場はますます整う。
現在所属している選手たちの去就はまだ不明だ。しかし、優れた新戦力の加入が決定していることもまた事実。なにより、将来的にクラブの顔にもなれる山原を手放すことになれば、強い清水としての復権が遠のくことまでありうる。
1位:チアゴ・サンタナ
当然と言うべきか、2022シーズンのJ1得点王FWチアゴ・サンタナは、なんとしても流出を避けたい選手の筆頭だろう。その得点能力は言うまでもないが、特徴はボール保持能力の高さだ。持ち前の体格と足元の技術を武器に、味方との距離が多少離れていてもキープすることができる。
得点の多くがカウンターにの清水にとって、前線にボールを収められる選手がいるかどうかは死活問題と言える。また、現在の清水は指揮官や外国籍選手も多くはサンタナと同じブラジル人。もちろん彼らの去就も決まっているわけではないが、最前線であり攻撃の中核であるサンタナのみが入れ替わる場合、他の選手では意思疎通や連携といった面で今季よりも遅れを取ることが想定される。
年間通して攻撃面においては一定の成果を上げていただけに、サンタナの慰留に成功すれば守備面の再構築に絞ってチーム作りを進められる。だからこそサンタナの去就はそのまま1年を左右するものになると言える。そして、なにより清水のサポーターは、最終節で見せたサンタナの悔し涙を、次シーズンは同じ清水で昇格の嬉し涙に変えてほしいと願っていることだろう。
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