Jリーグ 浦和レッズ

浦和に損害賠償費用11億円請求も!ACL決勝埼スタ開催要望に埼玉県回答

浦和レッズのゴール裏 写真:Getty Images

 明治安田生命J1リーグ・浦和レッズは現在、AFCチャンピオンズリーグ決勝2ndレグの埼玉スタジアム2○○2開催にむけて埼玉県と交渉している。そんな中、今月13日に交渉の続報に関して声明を発表。埼玉県から11億円以上の損害賠償費用を請求される可能性があることを明かした。

 浦和レッズはACLグループステージ東地区を4勝1分1敗で突破すると、日本開催の決勝トーナメントでジョホール(マレーシア1部)、BGパトゥム・ユナイテッド(タイ1部)、全北現代(韓国1部)を撃破。ACL決勝へ駒を進めている。

 そのACL決勝は従来11月開催となっていたが、アジアサッカー連盟(AFC)は今年1月に2022シーズンの決勝戦を来年2月に開催すると公式発表。そのため浦和レッズは先月20日の声明において「2021年11月時点では、ACL決勝は従来通り2022年11月の開催が予定されていた為、クラブとしては事前対策を行うことは不可能でした」と主張していた。

 これにくわえてクラブはACL決勝開催日程変更にむけてJリーグや日本サッカー協会(JFA)に働きかけていることを、公式サイトを通じてサポーターやスポンサー等に報告。今月4日になって埼玉スタジアム2○○2でのACL決勝開催にむけての要望書を埼玉県に提出していた。

 浦和レッズは今月13日の声明において、埼玉県から要望書に対する回答を得たことを報告。これによると、埼玉県は以下のように「芝改修工事の実施時期の延期」が難しいことを改めて主張したという。

 「芝生育成業者には別の業務を請け負う予定があり、圃場利用の再延長ができません。現在予定の工事期間でなければ、育成した芝生が使用できず、改めて2年間かけて芝生を育成しなければなりません。仮に工事期間を変更する場合、芝生張替え工事は順調に契約ができた場合でも、令和6年11月着手となります」

 「現在の芝生の状態で2年継続して使用すれば、地温コントロールシステムの老朽化がさらに進み、芝生のコンディション低下により、浦和レッズ及び対戦チームの選手には、これに伴うリスクが生じる可能性や会場の使用が困難に陥る可能性があります」

 「芝生張替え業者は、本年11月からの工事着手に向け、資機材や作業員の手配が概ね7割程度完了しており、現時点での工事期間の変更は業者に多大な損害を与えるとともに、同時に実施する観客席や機械設備等の他工事にも同様の影響があります」

 また「芝改修工事の実施時期の延期」を行う場合に必要な経費については以下のように説明。浦和レッズが総額でおよそ11億3000万円の損害賠償費用を負担する必要があることを主張している。

 「工事期間を変更するためには、新たに発生する芝生の2年間の育苗費用(約1億5千万円)が必要となります。また、既発注の芝生張替え工事(約2億9千万円)及び使用中の芝生の県立高校での利活用工事(約1千2百万円)の契約解除に伴う損害賠償費用、同時期に実施する観客席、機械設備等の工事(約5億7千万円)の中断に伴う損害賠償費用が発生します」

 なお浦和レッズサポーター有志一同は「ACL決勝を埼スタで!!」というスローガンのもと、埼玉スタジアム2〇〇2や浦和駅など複数箇所での署名活動を実施。ネット上での署名活動が行われるなど、埼玉スタジアム2○○2での開催実現を求める声が高まっている。