今季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)東地区グループステージは、中国勢がここまで全試合で大敗を喫していることで話題を呼んでいる。中国クラブは若手主体のメンバーで今大会に臨んでいるが、AFC関係者が開幕前に中国批判ととれるコメントを残していたようだ。19日、中国メディア『荊楚網』が報じている。
中国スーパーリーグでは山東泰山、上海海港、広州FC、長春亜泰の4クラブが今季のACL出場権を獲得。しかし、長春亜泰は財政難の影響もあり先月1日にACLプレーオフ出場辞退が正式決定。くわえて上海海港は中国政府の「ゼロコロナ政策」により上海市内がロックダウンとなったことから、タイ遠征が不可能に。今月11日になって上海海港の参加辞退が公式発表されている。
そして広州FCと山東泰山はACLグループステージに参戦しているものの、ほぼ全員が10代後半から20代前半と若手主体のメンバー構成に。中国メディア『新浪体育』は中国行政による新型コロナウイルス感染拡大対策の強化や国内リーグ戦との両立、遠征費負担などをふまえて主力選手をタイ遠征メンバーから外したと報じていた。
すると広州FCはグループステージ開幕戦でジョホール・ダルル・タクジムFC(マレーシア1部)相手に0-5と敗れ、第2節・川崎フロンターレ戦でも0-8と大敗を喫している。また、山東泰山も初戦で大邱FC(韓国1部)相手に0-7で敗れ、第2節・浦和レッズ戦でも0-5と惨敗。中国勢は4試合で合計スコア0-25と他クラブに地力の差を見せつけられている。
そんな中国2クラブが若手主体のメンバーで臨んだ理由について『荊楚網』は「ACLに参戦したクラブは帰国後、21日間の隔離を受けなければならない。中国スーパーリーグはもともと4月22日に開幕する予定だったので、中国スーパーリーグの円滑な運営のため、AFCチャンピオンズリーグに参加するクラブは若い選手を派遣することにした。リザーブチームの選手が出場し、選手の育成という目標が明確になっている」と解説している。
そしてACL開幕前の話として「山東泰山と広州FCがセカンドチームの派遣を決めたとき、AFCは中国クラブの決定について 『AFCに対する無礼』 と捉えて批判していた。AFC関係者はメディアのインタビューで『ACLへの参加が本当に難しいのであれば、中国クラブは長春亜泰のように率先して棄権し、他のクラブと入れ替わるべきだ』と露骨に発言していた」とAFC関係者のコメントを紹介している。
なお、中国スーパーリーグは「ゼロコロナ政策」の影響により今月下旬の時点でも開催の見通しが立っていないほか、複数都市での集中開催案も浮上している。大半のクラブで財政難が伝えられるなど中国サッカー界の衰退が顕著である中、中国クラブに対する風当たりは強まるばかりだ。
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