サッカーファンにとって衝撃的なニュースが飛び込んできた。3月24日、ヨーロッパの強豪であるイタリア代表がW杯ヨーロッパ予選プレーオフで北マケドニア代表相手に0-1で敗れ、2022FIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)への出場を逃したというものだ。イタリアと言えば「W杯の常連国」という印象が強く、今回の敗退には筆者も驚きを隠せない。
猛攻を仕掛けた“アッズーリ”(イタリア代表)は、同試合90分を通して32本以上のシュートを試みるも相手にブロックされゴールを脅かすに至らず、後半アディショナルタイムの1発に泣いた。この敗戦に伴うイタリア代表にとっての「4つの事実」について述べていきたい。
2大会連続のW杯予選敗退
カタールW杯の出場を逃したイタリアだが、前回大会の2018年ロシアW杯時に、なんとも60年ぶりのW杯予選敗退を喫している。つまり今回の敗戦により「2大会連続」となった。
ロシアW杯の際にも、イタリアは同じく欧州予選プレーオフでスウェーデンに競り負け(2戦合計0-1)敗戦を喫した。スウェーデンはその際3大会ぶり12回目のW杯出場を勝ち取っており、今回は現時点プレーオフ決勝(3月29日対ポーランド)まで駒を進めている。ヨーロッパでの戦いというものがいかにハイレベルで戦いにくいものかを知らしめている。
欧州王者・世界新記録樹立からの一転
とはいえ、イタリアの2021年は最高の出来だった。2021年6月にEURO2020(UEFA欧州選手権)を制し、またそのプロセスの中で「公式戦37試合無敗」という世界新記録を樹立。名実ともにロベルト・マンチーニ監督のチームは「最強」という言葉をほしいままにしていた。
一方で、今回の北マケドニア戦におけるイタリアは、昨年の雰囲気とは全く異なるどこか重々しい試合運びをしていた。まさにジェットコースターのような1年を過ごしており、常に一喜一憂できない状況にいる。
4カ国目となる不名誉な記録に
これまで「EUROを制した後のW杯予選で敗退した国」は、チェコスロバキア(1978年)デンマーク(1994年)ギリシャ(2006年)の3ヶ国だ。これにてイタリアは不名誉にも4ヶ国目としての名を刻むことになった。
イタリアがEURO2020を制覇したのは、決してその時の勢いや運だけだったわけではない。それだけに、今回の凋落(ちょうらく)には動揺を隠しきれない。
遠ざかる5回目のW杯トロフィー
ヨーロッパを制したイタリアにとっては、W杯出場がゴールではない。当然、本大会で優勝することを現実的な視野に入れている。イタリアのW杯優勝は過去に4回。2006年のドイツW杯以来の栄冠を再び手にすることを願っているに違いない。
しかし実のところ、2006年の優勝以降、イタリアはW杯本大会においても十分な成績を残せていない。2010年の南アフリカW杯、2014年のブラジルW杯では、どちらもグループステージ敗退。ニュージーランドやコスタリカに勝利できない始末だ。そうした中で2大会連続のW杯本大会未出場という事実は極めて緊急事態である。5回目のW杯制覇までの道のりはひどく険しく、まさに「茨の道」となりそうだ。
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