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ロシア移籍で「売国奴」扱いも…元ウクライナ代表DFがゼニトで公式戦出場拒否!

ヤロスラフ・ラキツキー 写真:Getty Images

 ロシアとウクライナは依然として交戦状態が続いている。その中、ロシア・プレミアリーグ(ロシア1部)のゼニト・サンクトペテルブルクに所属する元ウクライナ代表DFヤロスラフ・ラキツキー(32)がリーグ戦出場を拒否していたことが明らかになった。1日、フランスメディア『RMC Sport』が伝えている。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先月24日に軍に対してウクライナへの侵攻を指示。ウクライナ国内の軍事施設や空港のみならず民間人の住むアパートや病院などに対してもミサイル攻撃を行うと、キエフやハリコフなど複数都市でウクライナ軍と銃撃戦を繰り広げている。

 一方でロシア・プレミアリーグは戦争状態にもかかわらず、日本代表MF橋本拳人(28)所属ロストフなど一部クラブを除き先月末にリーグ戦を再開。ゼニト・サンクトペテルブルクも2月28日にルビン・カザンと対戦して3-2と勝利していた。

 『RMC Sport』の報道によると、試合前にセルゲイ・セマク監督がクラブ幹部に対してラキツキーのメンバー外を認めるように求めていたほか、選手本人からも欠場の要望があったとのこと。ゼニト・サンクトペテルブルクのアレクサンダー・メドヴェージェフGM(ゼネラルマネージャー)もロシアメディアの取材に応じた際、同選手がプレーできない状態にあることを認めたという。

 ラキツキーは2019年1月にウクライナ1部の強豪シャフタール・ドネツクからゼニト・サンクトペテルブルクへ完全移籍。ウクライナはクリミア半島の併合によりすでにロシアと対立関係にあったことから、ラキツキーに対するウクライナ国民の批判が殺到し、当時ウクライナ代表を率いていたアンドリー・シェフチェンコ監督も同選手を代表チームから追放している。

 なお、ロシアとウクライナの代表団は2月28日にベラルーシ国内で会談。交渉を継続することで合意に達したものの、ウクライナ側が即時停戦とロシア軍撤退を求めるのに対して、ロシア側はウクライナの非軍事化と中立化を要求。双方の主張に大きな隔たりがあり、依然として停戦実現にむけて楽観視できない状況となっている。