Jリーグ

正直疑問を感じる…Jリーグ謎な移籍&退任

マッシモ・フィッカデンティ 写真提供:Gettyimages

Jリーグの各クラブはキャンプを開始し、2月中旬の2022明治安田生命Jリーグ開幕に向けて準備期間に突入した。ここから1ヶ月ほどで選手のコンディション調整や新選手とのチューニングが行われる。

今年も多くの選手たちの移籍が実現したわけだが、中には「疑問の多い移籍」も少なからず存在している。ここでは正直疑問を抱かざるを得ない「謎移籍」「謎解任」をご紹介したい。


アビスパ福岡のゴール裏 写真提供:Gettyimages

田中達也(浦和レッズ→アビスパ福岡)

右サイドを主戦場とし積極的な攻撃参加を得意とする田中達也。昨シーズンには大分トリニータから浦和レッズへと拠点を移し、かつての浦和レッズのレジェンドでもある同姓同名の田中達也(2021シーズンにアルビレックス新潟にて現役引退を発表)の再来として注目を集めた。

ビッグクラブ環境への適用で後れを取った2021シーズン。さらなる飛躍として挑む新シーズン、田中は意外にも浦和レッズではなくアビスパ福岡を選択した。移籍を決めた理由の1つには「ジュニアユース時代を過ごした福岡の地への帰還」があるようだ。

しかし、たった1シーズンだけでクラブを容易く変える姿勢には正直疑問を抱く識者は少なくない。これまでロアッソ熊本からガンバ大阪、大分トリニータ、浦和レッズと移籍を繰り返してきたが、いずれも長くは定着しない選手の1人である。ガンバ大阪に所属したのはたった「6ヶ月」だった。幼い頃に育ったアビスパ福岡では同じことが繰り返されないことを心から願いたい。


ジュビロ磐田 写真提供:Gettyimages

ルキアン(ジュビロ磐田→アビスパ福岡)

言わずもがな、絶妙なスペースへの抜け出しと圧倒的なゴールセンスを誇るルキアン。2021シーズンにはJ2リーグで21ゴールを叩き出し得点王になった他、ジュビロ磐田のJ1昇格に大きく貢献した。ルキアン本人としてもシーズン途中で加入した2019シーズン以来の復帰となるJ1をジュビロ磐田で戦うものだと誰もが予想していた。

しかし、ルキアンは意外にもこのタイミングでジュビロ磐田を離れる選択を決めたのである。「自分だけではなく家族やいろんなことを考えての決断」と退団のコメントとして本人は語っているが、クラブとしても苦楽をともにしたJ1昇格の立役者をこのタイミングで手放す判断は果たして正しかったのだろうか。正直疑問を抱かざるを得ない。

苦渋の決断とも言えるこの移籍だが、やはりサラリーの関係なのだろうか。ジュビロ磐田に残留していれば間違いなく主力であることには変わりないだろうが、それでも前線の選手層が比較的厚い新たな環境へ向かうのには相当の覚悟が必要と考える。ルキアンの度胸と今後の飛躍に期待したい。


マッシモ・フィッカデンティ 写真提供:Gettyimages

マッシモ・フィッカデンティ(名古屋グランパスを退任)

組織的なフットボールを名古屋グランパスに植え付け、安定した守備と攻撃で旋風を巻き起こしたマッシモ・フィッカデンティ監督。2019シーズンより名古屋グランパスを率いて2020シーズンにはJ1リーグ3位。2021シーズンにはYBCルヴァンカップ優勝やJ1リーグ新記録となる21試合クリーンシートを達成するなど華々しい成績を残している。もちろん上位進出を狙う名古屋グランパスにとっても、この体制の継続路線が妥当であると考えていた。

しかしそこから急転直下、契約満了に伴う監督退任が公式発表されたのだ。何でも、クラブ経営陣がYBCルヴァンカップ優勝後に約束した2023年までの契約延長オファーを白紙にしたことにより、クラブと監督の関係に亀裂が入ったされている。あともう少し攻撃力が整えばJリーグ優勝も捉えられる状況にいるだけに「1つのサイクルの終焉」と判断したクラブ首脳陣には疑問を抱かざるを得ない。

名前:秕タクオ

国籍:日本
趣味:サッカー、UNO、100均巡り

サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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