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元G大阪・中村敬斗「オランダのサッカーは日本よりも…」海外初挑戦での挫折回顧

中村敬斗(写真左) 写真提供: Gettyimages

 ガンバ大阪でプロデビューし、オーストリア1部のLASKリンツに所属するFW中村敬斗(21)は、エールディビジ(オランダ1部)のトゥウェンテ在籍時の苦い記憶を振り返った。21日、LASKリンツの公式サイトが伝えている。

 同選手は2018シーズン開幕戦で17歳ながらもJ1リーグデビューを果たすと、2019年7月にエールディビジ(オランダ1部)のトゥウェンテへ期限付き移籍。2019/20シーズンの開幕戦から2試合つづけてゴールを決めると、左ウイングでしばらくレギュラーに定着していたが、12月以降は出場機会が激減。結局、わずか1シーズンでトゥウェンテを去り、ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のシント=トロイデンVV(STVV)へ加入している。

 そんな中村敬斗は、LASKリンツの公式インタビューでトゥウェンテ所属時代を回顧。PSVアイントホーフェン戦でデビューし、ゴールをあげた時の記憶を聞かれると「すごかったですね。ホームゲームでしたし、チケットは売り切れでした。僕がゴールを決めた後、ファンは完全に舞い上がっていましたね。ただ正直なところ、当時は何が起こっているのかよく分かっていなかったです」と語っている。

 そして、シーズン中盤から出場機会を減らした要因について「オランダのサッカーは、日本で慣れ親しんだサッカーとは全く異なっていましたね。オランダでは日本よりもプレースピードが速く、フィジカルを要求されましたが、日本のサッカーほどテクニックはそこまで強調されませんでした」とエールディビジ独特のスタイルに苦しんだことを明かしている。

 さらに本人はピッチ外での環境にも言及。初の海外挑戦で抱えた問題について「当時は英語もほとんど話せなかったので、チームメイトとのコミュニケーションも難しかったですね」とコメントを残している。

 中村敬斗はオランダやベルギーで思うようなシーズンを過ごせなかった。しかし、オーストリアで迎えた今季は、チームメイト数名が新型コロナウイルス陽性により隔離を余儀なくされると、先月4日開催のUECLグループステージ第4節・アラシュケルト戦で2ゴールをマーク。少ないチャンスをものにして出場機会を増やしている。