7月17日に行われたJ1リーグ第20節、ヴィッセル神戸はセレッソ大阪と対戦し1-1で引き分けた。この試合は神戸のサポーターにとって見逃せない大事な一戦となった。2018年から同クラブでプレーしてきたFW古橋亨梧がスコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部)セルティックへの完全移籍が決まり、C大阪戦は海外へ旅立つ前のラストゲームであったためだ。
試合は引き分けに終わったが、古橋はDF酒井高徳とのワンツーで抜け出すと右足シュートでゴールを奪った。サポーターへの惜別ともなったこのゴールは、古橋の今シーズン15得点目となる。そして同選手は、J1得点ランキングのトップに立ったまま日本に別れを告げた。
セルティックへ移籍した古橋は今後どうなるか。ここでは、セルティックのサポーターが古橋に期待していること、そして活躍の予測をまとめよう。
イニエスタの発言によるサポーターの期待
セルティックを支えているサポーターは、古橋のプレーを目の当たりにする前から、すでに同選手に大きな期待を寄せている。それには2つの理由がある。1つはヴィッセル神戸でチームメートだった元バルセロナ、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタの古橋に対する情熱的な発言だ。
「正直、彼(古橋)はヨーロッパのチームでプレーする才能があるね。J1の得点ランキングでもトップを走っているけど、それだけじゃないんだ。テクニックもしっかりあるから、ヨーロッパで活躍できると信じているよ」
世界サッカーに大きな影響を与えたイニエスタのこの言葉には、すべてのセルティックファンが耳を傾けた。今後、古橋はイニエスタの発言が正しかったことを証明しなければならない。
セルティックのレジェンド中村俊輔の存在
セルティックサポーターが古橋に期待するもう1つの理由は、セルティックパーク(同クラブのスタジアム)のレジェンドとなった中村俊輔の存在が大きいだろう。
中村の海外冒険は、横浜F・マリノスからセリエAのレッジーナに移籍した2002年にスタートした。レッジーナで3年プレーした後にセルティックに加入すると、中村はスコットランドでの初シーズンにスコティッシュ・プレミアシップ優勝とスコティッシュリーグカップ優勝に貢献した。
2005年から2009年にかけてセルティックで145試合中31得点(『Transfermarkt』より)を挙げた中村。特に印象を強くした彼のフリーキックは、未だにサポーターの心に刻まれている。それは古橋にとって大きなプレッシャーになることもあり得るが、サポーターは中村と同じ日本人である古橋に同じような期待をしているのだ。
古橋自身はこれについて、欧州サッカーで活躍した先輩の中村、本田圭佑(元ミラン)中田英寿(元ペルージャやローマなど)と比較されるのは嬉しいが、これからは自身の名前を歴史に刻みたい、と発言している。
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