リーグ・アン パリ・サンジェルマン

PSGに所属する10人ものGKたち。ドンナルンマ加入でどう動く?

写真提供:Gettyimages

新型コロナウイルスの影響で混乱が続く世界。ここ2年の間で経済的に厳しい時期を過ごす企業、組織、個人が増える中、世界のサッカークラブも例外ではない。感染の終息は未だ見通せず、倒産の危機に晒されているクラブも多くあるという。

そんな中、フランスのパリ・サンジェルマン(PSG)は、まるでコロナ禍の影響を受けていないかのように、今夏の移籍期間(6月9日〜8月31日)にて積極的な動きを見せている。7月8日、2005年からレアル・マドリードで多くのタイトルを手にしてきたDFセルヒオ・ラモスを獲得。7月14日にはイタリア代表のEURO2020(ユーロ)優勝にも大きく貢献したミランのGKジャンルイジ・ドンナルンマを獲得した。

ところで、ドンナルンマの加入で9人目ともなるPSGのGK。数日後にはさらにもう1人のGKが正式にトップチームと契約する可能性が高いと言われている。10人のGKを抱えるチームが初めてだとは断言できないが、極めて珍しいケースである。ここでは、PSGに所属する(あるいはこの先正式に契約することになる)10人のGKたちを紹介しよう。


ジャンルイジ・ドンナルンマ 写真提供:Gettyimages

ジャンルイジ・ドンナルンマ

2015年にミランのユースからトップチームに加わり、2015/16シーズン第9節サッスオーロ戦にて16歳8ヶ月でセリエAデビューを果たしたイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマ。ミランのバンディエラ(クラブのシンボル)になると信じていたサポーターは少なからずいただろう。

しかし、ユーロ2020でイタリア代表を優勝に導いた後の7月14日、ドンナルンマがPSGと5年契約を結んだことが発表された。その年俸は1,100万ユーロ(約14億円)と言われ、ミランの600万ユーロ(約8億円)のほぼ倍となる。

この取引には経済的要因も大きく影響していると思われるが、ドンナルンマは大金に満足するはずがない。PSGに移籍した以上必ずメインGKの座を勝ち取り活躍するだろう。


ケイロル・ナバス 写真提供:Gettyimages

ケイロル・ナバス

2019年9月2日にレアル・マドリードからPSGに移籍したケイロル・ナバス。2020/21シーズンはリーグ・アンやチャンピオンズリーグ(CL)などでメインのGKとして活躍をしてきた。ドンナルンマがPSGに加入したことによって、次シーズンはどれほどの試合に出場できるだろうか。

ナバスの過去には似たような状況があった。2014年にマドリードに移籍した同選手は、2015年から2018年前半にかけてメインGKとしてプレーするも、2018年8月8日にティボ・クルトゥワが加入したことによって激しいスタメン争いに巻き込まれ出場機会が急激に減った。

2度と同じ悪夢を繰り返したくないナバスは、このプレシーズン中に全力を尽くし、マウリシオ・ポチェッティーノ監督へアピールするはずだ。


セルヒオ・リコ 写真提供:Gettyimages

セルヒオ・リコ

2020/21シーズンにナバスの控えGKだったセルヒオ・リコ。PSGとの契約は2024年までだが、出場機会が少なかったため別のクラブへのレンタル移籍を求めてきていた。さらにドンナルンマが加入したことで、同選手の出場機会はもうないと言ってもいいだろう。

リコのポテンシャルを高く評価し、獲得に動いているのはスュペル・リグ(トルコ1部)に所属しているベシクタシュである。PSGとの交渉はすでに開始され、移籍の可能性が高まっているようだ。

セビージャのユースで育ったリコは2014年にトップチームに上がり、2014/15シーズンからはメインGKであったベトの負傷をきっかけにスタメンの座を勝ち取ることができた。2018/19シーズン中には33戦にかけてプレミアリーグ所属フラムのゴールを守った後、キャリアアップを望んで2019年9月にPSGに移籍した。そこからのスタメン出場の機会は一握りとなっている。

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名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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