
ジャコモ・ラスパドーリ
21歳・イタリア代表(決勝トーナメント進出)
サッスオーロ所属のFWジャコモ・ラスパドーリがイタリア代表に選ばれた時には多くの人が驚いた。同選手が2020/21シーズン中にセリエAでレギュラーになれたのは終了前の数試合のみで、シーズン全体を振り返っても6得点しか記録していない。
イタリア代表には、経験豊富なストライカーのチーロ・インモービレ(ラツィオ所属)とアンドレア・ベロッティ(トリノ所属)が欠かせない存在だ。他にはラスパドーリと同じ21歳でありながら、ユベントス、エバートン、パリ・サンジェルマンでのプレー経験を持つモイーズ・キーンが選ばれると思われた中、ロベルト・マンチーニ監督はラスパドーリを選抜した。
おそらくその理由は、同監督が狙うポゼッションを中心にしたサッカーにある。ラスパドーリが所属しているサッスオーロのサッカースタイルは、イタリア代表に似ている。ラスパドーリはインモービレとベロッティのようにディフェンダーの裏を狙うスキルも持ち、パス成功率も非常に高い。相手チームのディフェンスラインを崩す方法を考えながらボールを回したい場面では、役立つのであろう。しかしユーロ2020現時点での出場は、すでに決勝トーナメント進出が決まってからのグループA第3節ウェールズ戦の15分のみとなっている。

アレクサンデル・イサク
21歳・スウェーデン代表(決勝トーナメント進出)
今年のユーロ2020の目玉となる若手FWは、間違いなくレアル・ソシエダ所属のアレクサンデル・イサクである。190cmの身長とレベルの高い技術の持ち主であり、多くの人は同選手をミランのFWズラタン・イブラヒモビッチに例えている。
しかし、2020/21ラ・リーガで17得点を記録したイサクは、ミランのストライカーとはプレーが異なる。センターフォワードでありながら左サイドに寄り、そこからクロスを挙げたり、中に絞って縦パスを出したりすることも好む。また、イブラヒモビッチと違ってポストプレーを武器としていないが、凄まじいスピードの持ち主であり、スルーパスも得意だ。
ユーロ2020では3戦ともスタメン出場を果たし、グループE第3節ポーランド戦(3-2でスウェーデンの勝利)でRBライプツィヒ所属FWエミル・フォルスベリに1得点目のアシストをした。

ミコラ・シャパレンコ
22歳・ウクライナ代表(決勝トーナメント進出)
ウクライナ代表のディナモ・キエフ所属MFミコラ・シャパレンコも、大きく注目されている若手選手の一人である。
シャパレンコは2020/21シーズン中にディナモ・キエフで、ウクライナ・プレミアリーグ(同国1部)、ウクライナ・カップ、ウクライナ・スーパーカップ優勝に貢献した。
ピッチ全体を見渡すゲームビジョンと優れたパスセンスを持った、昔ながらのファンタジスタ(プレーメーカー)である。ユーロ2020では攻撃面で十分な輝きを見せていないが、決勝トーナメントでのプレーを期待したい。今後は同選手の活躍をもっとレベルの高い5大リーグの1つで見てみたいものだ。
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