ピンチ時のDFラインの冷静な対応
2020シーズン、札幌のディフェンスには失点後無意識にラインを下げる癖が見受けられた。同クラブが目指しているサッカースタイルにおいては、最もやってはいけないことである。
なぜならそのまま中盤と前線の選手が高いポジションをキープしてハイプレスを続けると、相手の攻撃に繋がりやすいバイタルエリア(MFとDFの間)が大きく開いてしまうからだ。リスクがあろうとDFラインは高い位置を保たなければならない。
横浜戦ではミスがなかったとは言えないが、試合29分に1失点した後でもGK菅野孝憲を含むDFラインは果敢に高いポジションを保ちプレーし続けた。
また、横浜がハイプレスをかけようとした場面にも注目すべきである(札幌が誘ったと言ってもおかしくない)。札幌のDFラインはそれを冷静に交わし、何度も素早いカウンターでフィニッシュまで持ち込んだ。
小柏剛の重要性
横浜戦で最も輝いたのは2得点を挙げた金子拓郎だったが、今後の札幌に安定をもたらすのは22歳の小柏剛であろう。小柏のこぼれ球に対する反応力と切り替えの速さは守備的にも攻撃的にもチームの大きな武器となる。もちろん彼の技術は同試合にも大きく貢献した。
試合開始2分、小柏が右サイドで相手のクリアに反応し体を張ったことで駒井善成の得点に繋がった。また、75分に中盤で失われたボールを取り返したことによって、相手の攻撃を受けず、77分のチャナティップ・ソングラシンの得点を演出する結果となった。
45分のアンデルソン・ロペスの得点に繋がったアシスト、エリア内からのワンタッチクロスも見事だった。この素晴らしいパフォーマンスで小柏はレギュラーの座を掴み取っていくに違いない。
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