
宮本恒靖監督体制3年目のガンバ大阪2020シーズンは、復活の可能性を感じさせられる出来だった。
開幕戦の横浜F・マリノス戦ではハードワークで相手を圧倒し1-2の勝利。2019シーズン王者を破り「今年は違うぞ」という意気込みを見せられた。川崎フロンターレの独走こそ食い止めることができなかったものの、J1リーグ戦2位という結果は着々と実力をつけてきた証拠であると考える。
2019シーズンと比べてどのようが違いが生まれて順位を押し上げることができたのか、その核心に触れるとともに、2021シーズンの展望について述べていきたい。

厚みが増した選手層
2020シーズンのガンバ大阪を振り返る際に語るべきポイントは選手層に厚みが増したことだろう。シーズン開始前から小野瀬康介の横浜F・マリノス加入の噂が飛び交ったものの宮本監督の熱弁により見事残留。またフランスリーグで鳴かず飛ばずだった昌子源を獲得しディフェンスリーダーとして再生させた実績は評価に値する。
しかし、それよりも評価されるべき点は、過密スケジュールの中戦ったリーグ戦を通して様々な選手のパフォーマンスを向上させた点にあると考える。
連戦をこなす中で関西学院大学出身の髙尾瑠や山本悠樹の成長は著しく、ともに欠けてはならない存在にまで自らの地位を確立した。髙尾は2019シーズンこそ守備に不安があり相手チームから右サイドを集中的に攻略された印象があったが、2020シーズンはそうした守備面においても対処することができ、大崩しないディフェンスライン形成に貢献した。山本は2020シーズンから加入したルーキーだが、システムを4-4-2に変更したあたりから中盤でリズムを整える役割を担い「12戦無敗」という偉業にも貢献した。
リーグ戦第28節の浦和レッズ戦(1-2で勝利)では山本からの左CKに髙尾がヘディングで合わせたゴールが決勝点となり、関学コンビが2020シーズン躍動した結果が形に表れた格好となった。かつてガンバ大阪相手に天皇杯で劇的な勝利を収めた関西学院のイレブンに2人が名を連ねたことがなおさら感慨深い。またその試合で決勝点を決めた山見大登が2021シーズンからガンバ大阪へ加入することも決まっている。
同時にアンダーカテゴリー出身の若手選手が積極的に起用され、結果的に若手選手への経験値を高めた他、連戦を戦うチームの総合力向上につながった。コンディション調整が通常のシーズンよりも難しい中で、主力を温存してもコンスタントに結果を残すことができたことは素晴らしい。5年ぶりとなるアジアチャンピオンズリーグ出場を決めたリーグ戦第33節横浜FC戦(0-2で勝利)ではチームの核とも言える宇佐美貴史や井手口陽介、更には小野裕二、小野瀬康介などがメンバー外となっていた。主力がいなくても組織力で勝つ、総合力で圧倒した2020年だった。

ディフェンスラインの安定
2020シーズンのガンバ大阪はディフェンスラインが比較的安定していたシーズンだったと考えている。三浦弦太や藤春廣輝など失点に直結する致命的なミスが重なり夏頃に勝てない時期が続いたものの、大崩れした試合は2019シーズンに比べて少なくなったことは好材料と言えるだろう。ガンバに加入し2年目となるキム・ヨングォンや菅沼駿哉の安定感がディフェンスラインを下支えし、いくつものシュートブロックを施した他、守護神東口順昭の集中力にも助けられた。今後昌子源や三浦弦太がトップパフォーマンスになれば、今まで以上に強固な守備ブロックを形成することになるだろう。
CBの安定化だけでなく、2019シーズン夏にガンバ大阪へ復帰した井手口陽介のコンディションを整えたことも2020シーズンの良かった点である。彼の神出鬼没のプレーは中盤の主導権を握ることに大いに貢献し、後手に回る流れが多かったこれまでの戦いぶりからは脱却することができた。さらに以前に比べて高い位置からのボールを奪う意識付けが浸透し、ショートカウンターを仕掛けられるチームへと成長を遂げた。ファン・ウィジョのスピードに依存した堅守速攻型から変化することができた点も評価されるべき点である。
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