6月25日に行われたプレミアリーグ31節で、ランキング2位であるマンチェスター・シティがチェルシーに敗れ、リバプールのプレミアリーグ優勝が決定した。
リバプールの選手とスタッフは一緒にその試合を観戦。優勝が決定すると監督のユルゲン・クロップはカメラの前で、感動の涙を隠せなかった。翌日の記者会見では冷静さを取り戻し、クロップはこのように勝利を語った。
「とても嬉しいです。昨日の夜は感動を隠せなかったけど、私の人生にとって大事な一時です。長い道のりでした。ここまで来れたのは戦ってくれた選手たちのおかげです。マンチェスター・シティとチェルシーの試合が終わる10秒前に、家族にビデオ電話をし、お互いに愛していると伝え合いました」
クロップは素晴らしい指導者でありながら、とても性格が良くて面白い人物でもある。今回は彼の面白いエピソードをまとめてみよう。
試合後歩いて自宅に帰るクロップ
2015年3月28日。ボルシア・ドルトムント監督時。リーグ戦でもあまり良くない時期を迎えていたドルトムントはチャンピオンズリーグ(CL)でユベントスに3-0で敗れ、ホームゲームの観戦に来た7万人ほどのサポーターの前でトーナメント敗退となった。
試合後クロップはチームバスには乗らなかった。自分のリュックを背負い、長い1日を終えたサラリーマンのように疲れた顔で歩いて帰ったのだ。そんな彼を目撃した多くのサポーターも、敗退の怒りをぶつけることなく見守ったという。
数日後、彼はあるインタビューでその行動について語った。
「気持ちを落ち着かせるために歩いて帰りました。試合を振り返ったり、将来のことを考えたりしましたね。いいお散歩になりましたよ」
スタジアムのガレージで目覚めたクロップ
ボルシア・ドルトムントで2011/2012シーズンの見事な優勝を果たすと、クロップはお酒を飲みすぎ、信じられない経験をした、と自身が振り返った。
「優勝のあまりの嬉しさに飲みすぎてしまいました。朝はスタジアムのガレージの中にあったトラックで目覚めました。その前のことはあまり覚えてないですね」
それで終わりではなかった。その日に優勝パレードに参加しなければならなかったクロップは、急いでトラックを降りると、スタジアムに偶然いたボルシア・ドルトムントの現在のCEOハンス= ヨアヒム・ヴァツケ氏に会った。
2人は道でタクシーを見つけられず、古いステーションワゴンに乗った男を引き止め、200ユーロ(約2万4千円)を払ってパレードに送ってもらうことになったという。
「車の中では変な音が聞こえていました。後ろを向いてトランクの方を確認したら、たくさんの鶏が乗っていました。本当に信じられない状況でしたよ」と、笑いながらクロップが語っている。
会見中に記者を抱きしめるクロップ
クロップとメディアの関係は複雑な時もあるが、面白いエピソードもたくさん残っている。おそらくサポーターが忘れられない出来事は、2018年にアメリカで行われたインターナショナル・チャンピオンズ・カップでのクロップと新聞記者のハグだろう。
2015年からリバプールの監督となったクロップは、以前指導したボルシア・ドルトムントに敗れ、試合後の記者会見で質問に答えていた。すると、ある記者が「追加の質問させてください。おそらくもう聞けるチャンスがないので。抱きしめてもいいですか」と尋ねたのだ。
クロップは笑いながら「今まで受けた質問の中で、これは最高の追加質問です」と返事してから記者を抱きしめた。さらに、その楽しい雰囲気の中で記者の服装を見たクロップは「私のそっくりさんじゃん」と発言し、全員が大爆笑した。
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