
アリゴ・サッキ
交代:バッジョ→マルケジャーニ
1994年にアメリカで行われたワールドカップのグループステージ第2戦。ノルウェー戦で起用されたイタリア代表GKジャンルカ・パリュウカはレッドカードで退場となった。
その後に起きた仰天の出来事を、世界中のサポーターは忘れられないだろう。 サッキは第二ゴールキーパーであったマルケジャーニを…代表エースのロベルト・バッジョと交代させたのだ。「サッキはイカレている」と叫んだ人も少なくないはずだ。
退場となったパリュウカは当時のことをこう語る。「我々選手にとっても明らかにおかしい交代だった。自分のせいでイタリアがグループステージを突破できないと思い、とても悔しかった」
しかし、その後イタリア代表は1得点を挙げ、ノルウェー代表の壁を破った。そしてそのゴールを決めたのはもう1人のバッジョ、ディノだったのだ。

クラウディオ・ラニエリ
交代:トッティ、デ・ロッシ→メネス、タッディ
選手交代に対する「勇気賞」が存在するのならば、それはラニエリに送られるべきだろう。彼は大事なローマダービーで1人ではなく、2人のバンディエラ(クラブを象徴する選手)を同時に交代する勇気を見せたのだから。
2010年4月19日に行われたローマ対ラツィオ。満席だったスタディオ・オリンピコでビアンコチェレスティ(ラツィオの愛称)は先制に成功。試合をリードしていた。
ローマは大事なダービーを勝利で終えるために、まずは冷静さを取り戻す必要があった。そして、最もダービーのプレッシャーを感じ熱くなっていたのは、チームの2人の柱であるフランチェスコ・トッティとダニエレ・デ・ロッシだったのだ。
ラニエリはリスクを取り、スタジアムのブーイングを浴びながら2人をジェレミー・メネスとロドリゴ・タッデイに交代。結果的にローマは2-1で勝利を収めた。しかし、試合後でもその選択を許さなかったクラブ関係者やサポーターは多かったという。
ラニエリはそのダービーについてこう語っている。
「すごく苦しい判断だった。2人を下げて負けでもすれば、2度とオリンピコに立つことはできなかっただろう。クビになることを覚悟していた」
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