昨年12月20日に古巣アーセナルの指揮官の座に就いたミケル・アルテタ監督。監督就任以降、試合内容は改善されつつあり、その手腕を評価する声も少なくない。
そんなアルテタ監督だが、やはりチームの全体の指導よりも個人的な指導のほうが実務経験もあるため得意としているのだろう。同監督就任後にパフォーマンスを向上させている選手は少なくない。
今回は、アルテタ新監督の下で輝きを取り戻し始めている3選手をご紹介する。
メイトランド=ナイルズ
エインズリー・メイトランド=ナイルズ。22歳の若さで、アーセナルの右サイドバックを任されている選手だ。同選手に関しては、起用に懐疑的な意見があるのも事実だ。試合中にスイッチが切れてしまう場面も少なくない。
同選手の最大の問題点は、攻撃的なプレーを好む同選手を、そうではない役割にどのやってコミットメントさせるかという点だ。その問題をアルテタ監督は上手にクリアしているように見える。
試合の中で中盤でプレーする時間を増やし、新たな役割を与えることに成功している。中盤に枚数を増やすことで、志向している攻撃とナイルズの弱点を同時にカバーすることができている。この役割を与えられたナイルズであれば、エクトル・ベジェリンが復帰したとしてもベンチに下げる理由はないだろう。
ダビド・ルイス
D・ルイスは、自分の強みを増幅させ、弱点をカバーできるシステムを必要とするタイプの選手だ。前線と中盤の選手が効果的にプレスをかけることで、守備的な負担を少し減らし、彼のビルドアップ能力を存分に活かすことができる。
アルテタ監督の下で、D・ルイスは自由にプレーする権利を手に入れた。世界的に見ても稀有なパス能力を武器に、攻撃面での貢献度が段違いに増している。ボールロスト時の切り替えがチーム全体として格段に速くなっているからだ。その中でも、特に相手の最終ラインを壊すロングパスは脅威となっている。そういったことに伴って、守備面でのミスも減っている。
ルーカス・トレイラ
サンプドリア時代や、アーセナル移籍当初の輝きを取り戻しているのがトレイラだ。ウナイ・エメリ前監督の下で苦しい時間を過ごしたトレイラだが、復活を遂げている。
アルテタ新監督は、彼を守備的なMFという本来のポジションに戻した。これにより、アーセナルのビルドアップは洗練され、守備面での最終ラインの負担も減少している。また、トレイラという基準がいることにより、ペアを組むグラニト・ジャカのプレーも洗練されている。これはトレイラ加入直後のアーセナルに見られた現象だ。
トレイラの試合の中でのデータも向上している。1試合平均で3.7回のタックルを記録している。攻撃面ではパス成功率88.7%を記録。1試合平均で34.4本のパスを記録しているので、1試合で30本はパスを成功させている計算だ。
アルテタ監督がトレイラを本来のポジションに戻したことで、アーセナルは攻守にわたって洗練されたチームとなり始めている。
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