2020年1月9日に行われたクープ・ドゥ・ラ・リーグ(フランスの2つのカップ戦の一つ)パリ・サンジェルマン(PSG)対サンテティエンヌの試合で、フランス王者PSGは6-0の圧倒的な勝利を収めた。その中で、2019年夏にインテルからPSGに移籍したマウロ・イカルディはハットトリックを決めている。
この試合だけでなく、アルゼンチン出身のイカルディはPSGと素晴らしい関係を築いていて、セリエAで経ていた苦しい時期は嘘のようだ。パリに移籍してから19試合中17得点を記録していることも素晴らしいが、注目すべきなのはキリアン・ムバッペ、エディンソン・カバーニ、ネイマール、パブロ・サラビア、マキシム・シュポ=モティングなどトップレベルの攻撃人が揃うチームの中でレギュラーの座をキープし続けていることだと思います。
スタメン争いのことを考えると、サポーターもフロントもシーズン開始からこんなにイカルディに活躍できるチャンスが与えられるとは思わなかっただろう…。しかし、イカルディはすぐに結果を出して、試合の度にチームメイトとのコンビネーションが上達しているようにみえる。
イカルディがスタメンになるのは当たり前ではなかった
おそらくイカルディ自身も最初からスタメンでプレーできるとは思わなかっただろう…。しかし、PSGのトーマス・トゥヘル監督は彼にピッチで暴れるチャンスをたくさん与えた。イカルディはPSGフォワードの中で出場時間が3番目に多い選手です(ムバッペが1,395分、パブロ・サラビアが1,389分、そしてイカルディが1,235分)。
彼の運が良かったのも確かです。ネイマールとカバーニに怪我がなければ、イカルディはそんなにすぐに出場機会を多く得られなかっただろう…。しかし、フランス国内で12得点(リーグ・アン戦で9得点、カップ戦で3得点)、チャンピオンズリーグで5得点と、自身でそのチャンスを掴んで活躍したからこそ、今はレギュラーの座をキープしている。
イカルディの勝負強さは侮れない。
イカルディがPSGで活躍できているのはチームメイトのおかげでもある
トゥヘル監督のシステムの中で、イカルディは高い確率でセンターフォワードとして使われている。9日のサンテティエンヌ戦では、そのポジションにおけるPSGでの一番良いパフォーマンスを見せた。
数字(3得点、1アシスト)だけではない。ペナルティエリア内の判断の速さ、適切な動き、ポジショニングのうまさ、ゴール前の冷静さ、彼は出場した72分の中で自分の全てのクオリティーを発揮することができた。
しかし、イカルディの活躍は周りのチームメイトがあってこそだと思う。サンテティエンヌ戦でも3得点のうち2つは、ゴールに打ち込むだけの得点だった。特にサイドの攻撃の選手がスピードに乗ったドリブルの後にも頭を上げずに適切なパスを出せることで、イカルディにはペナルティエリアの中での一瞬の余裕が与えられる。彼が集中しなきゃいけないのはフィニッシュのみだ。
PSGに移籍したタイミングが良かった
以前のコラム「PSGはCL優勝に向けて進化。しかしネイマールが戻ったら…」にも書きましたが、前シーズンまでのPSGは選手の個人プレーが輝いてた。しかし「チーム」という感じがあまりしなかった。そして、国内では結果を出せてもヨーロッパ大会では活躍できない状況が続いていた。おそらく、イカルディがその環境で移籍していたら、今の活躍をすることは不可能だっただろう…。
しかし、今シーズンのPSGは違います。チームメイト間の信頼が全てのプレーに現れている。そして、インテルでは様々なトラブルがあり、チームメイトとうまくいかなかったイカルディは「信頼」を最も必要としていた。
フロントとチームメイトのサポートを得ているイカルディは誰にも止められない。これからは、かつてインテルでセリエA得点王に数度輝く活躍をしていた頃以上の期待ができると思います。
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