女子サッカー

皇后杯、ベスト4進出チームが年内最後の決戦へ

長谷川唯(日テレ・べレーザ所属)写真提供: Gettyimages

11月2日から始まった「皇后杯JFA第41回全日本女子サッカー選手権大会」(以下、皇后杯)も勝ち上がった4チームに絞られ、大詰めを迎えている。明日12月22日に準決勝、同29日に決勝(共に会場はNACK5)で行われ、令和元年ラストのカップ戦王者が決定する。

最多優勝、大会3連覇に挑む日テレ・ベレーザ

今季のなでしこリーグ1部を制して史上初の5連覇を果たした“絶対女王”日テレが、今大会も優勝最有力候補。初戦の2回戦から4-0(大和シルフィード)、5-1(ニッパツ横浜シルフィード)、5-0(日体大FIELDS横浜)と盤石の大量得点で勝ち上がり、ニッパツ戦の前には2019女子クラブ選手権 FIFA/AFCパイロット版トーナメント(韓国)で中1日の3試合を戦い、見事初代女王を勝ち獲ってくるというハードスケジュールを乗り切っている。

E-1選手権にも選手を多数、送り出しているが勝者のメンタル、タフさでは群を抜いている。その彼女たちの強さの源は「サッカーが大好き」という部分になる。このサッカー少女たちを倒すことは簡単にはいかない…。

ここ10年で6度優勝の復権に燃えるINAC神戸レオネッサ

今季、なでしこリーグ1部3位、リーグカップ準優勝と苦杯を舐めているINAC神戸もリーグ戦での不安定さを払拭するかのように3-0(藤枝順心高校)、4-0(セレッソ大阪レディース)、1-0(ノジマステラ神奈川相模原)と無失点で順当に勝ち上がっている。2010年に皇后杯初優勝を果たすと4連覇を達成し、この10年間で6度優勝と4度優勝の日テレを上回っている。

準決勝で激突するのがリーグ2位に躍進を果たした浦和レッズレディース。今季、4勝と相性が良い相手との対戦になる。今季、リーグ戦で2敗した苦手ノジマを撃破して勢いに乗りたいが逆リベンジを喫しない準備が必要になる。

今季、躍進した浦和と伏兵ちふれASエルフェン狭山

リーグ戦で日テレを撃破して一時は首位に立ち、2位でフィニッシュした浦和レッズレディースは、6-0(常盤木学園高校)、3-0(静岡産業大学磐田ボニータ)、1-0(マイナビベガルタ仙台レディース)と順当にベスト4へと勝ち上がっている。日テレを圧倒した覚悟を決めた前線からの守備でINAC神戸を圧倒して今年の初勝利を掴みたいところ。

そして、唯一なでしこリーグ2部所属で勝ち残っているのが、ちふれだ。3-0(NGUラブリッジ名古屋)、2-2(アルビレックス新潟レディース)、3-2(オルカ鴨川FC)とクラブ史上初の皇后杯ベスト4進出を果たして勢いに乗っている。“絶対女王”日テレにどこまで粘り強く戦えるか。決戦の舞台となるNACK5スタジアムでは地の利を生かして戦いたい。

いよいよ4チームに絞られた今季の皇后杯。奇しくも勝ち残った4チームの監督たちが読売クラブ・ヴェルディ・ベレーザで選手や指導者をしていた出身という点も注目だ。各チーム、エースが躍動している印象が強いが何が起きるか分からないトーナメント戦。是非、会場で熱戦を観てもらいたい。