ウナイ・エメリ前監督がアーセナル指揮官の任を解かれてから、盛んに噂されているのがOBミケル・アルテタ氏の新監督就任だ。フレドリック・ユングベリ暫定監督が現在指揮を執るアーセナルだがパフォーマンスは上がっておらず、続投の可能性は極めて低い。
マンチェスター・シティに3-0で敗れたことにより、新監督招聘の動きは加速しているとみられている。マウリシオ・ポチェッティーノ氏やブレンダン・ロジャース氏など、アルテタ氏以外にも新指揮官候補は挙げられている。
今回は、そんなアーセナル新指揮官の座にアルテタ氏が相応しくない3つの理由をご紹介する。
タイミング
2016年からジョゼップ・グアルディオラ監督の右腕として、アーセナルのアシスタントコーチを務めているアルテタ氏。世界最高レベルのチーム、世界最高レベルの監督と共に、多くの指導者が憧れるような経験を積んでいる。
シティがアルテタ氏をグアルディオラ監督の後釜候補の1人として見ているのは間違いないだろう。現在ニースで監督を務めているパトリック・ビエラ氏のように、今後は他クラブで指揮官としての経験を積ませる可能性もある。そういったタイミングでいきなりビッグクラブの監督を務めるというのは、なんともタイミングが悪い。
アーセナルがアルテタ氏を引き抜くことがシティにとって都合が悪いのはもちろんだが、アーセナルにとっても得策とは言えない。クラブに対してリスペクトを持った将来の名将候補を招聘するなら、もっと準備を整えてからでいいはずだ。奇跡的にアルテタ氏がアーセナルを立て直すことも考えられるが、可能性は極めて低いだろう。
ここで焦ってアルテタ氏を監督に据えた場合、将来に訪れるであろう最高のタイミングを逃す可能性が高い。
カリスマ性
エメリ前監督が、スペイン語訛りの英語を選手たちから馬鹿にされていたことが明らかとなり、アーセナルのロッカールームが通常のクラブとは異なるヒエラルキーを持っていることが知れ渡った。
そんなチームの中に、選手としての実績がバロンドール級とは言えないアルテタ氏が入り、選手からのリスペクトを得ることができるだろうか。監督として実績のあるエメリ前監督でも、選手たちはリスペクトを欠いた行動をとった。新監督を招聘するなら、人心掌握に長けた監督を呼ぶべきだろう。
他にも候補はいる
ナポリの監督を解任されたカルロ・アンチェロッティ氏やトッテナム・ホットスパーの監督を解任されたマウリシオ・ポチェッティーノなど、現在世界有数の監督がフリーとなっている。このレベルの監督じゃなくとも、来シーズンまでの繋ぎとして仕事を全うできる監督はいる。そういった状況の中で、アルテタ氏の招聘にこだわる理由はあるのだろうか。
もちろん、アルテタ氏は将来を有望視されている指導者の1人だ。長期的に見れば、世界最高レベルの監督になり得る器だろう。しかし、現在の彼には何もない。グアルディオラ監督の下で日々実務をこなしているが、実際にチームをマネジメントしているのはグアルディオラ監督だ。実績のない監督が、ワールドクラスの選手が揃うチームをまとめ上げられるだろうか。
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