2017年1月から現在にかけて、ガレス・サウスゲート監督率いるイングランド代表でデビューした選手は21人と、一般的に考えられない多い数です。その中でも、チェルシーのユースで経験を積んだ選手は9人もいる。
その選手たちとは、ルーベン・ロフタス=チーク、ジャック・コーク、ドミニク・ソランケ、ナサニエル・チャロバー、デクラン・ライス、カラム・ハドソン=オドイ、メイソン・マウント、そしてフィカヨ・トモリです。
イングランド代表の歴史の中でも、こんな短期間に同じクラブのユースに育てられた選手が一気に代表デビューするのは初めてと言われている。
チェルシーのアカデミーに感謝を
まず、こんな展開になったことに対して褒めるべきなのは、チェルシーのアカデミー、そして彼らの教育システムだと思う。この数年、チェルシーは若手を育てることに力を入れて、アンダーの代表で大活躍した選手もたくさん出てきている。
特にチェルシー、そしてイングランド代表の記憶にきっと残るのは2017年でしょう。2017年にはイングランド代表のU-20とU-17がワールドカップ優勝。そして、U-19もユーロのトロフィーをあげたぐらいの素晴らしい年だった。その3つの代表チームの中には、14人ものチェルシーの選手が選ばれていた。(エヴァートン所属6人、マンチェスター・ユナイテッド所属5人など…)。
しかし、現在イングランド代表のトップチームにチェルシーの選手がこんなにたくさん選ばれているのは別の理由だ…。それはチェルシーがFIFAから渡されたキツイ判決と繋がっている…。
最近チェルシーの若手選手が代表トップチームに選ばれている理由
実はFIFAの規則では、18歳未満の選手の海外移籍が禁止されている。海外移籍が可能になるのは下記の条件がある時です。
- a)選手の両親がサッカー以外の理由で移籍先クラブがある国に引っ越した時。
- b)両クラブがEU及びEEA(欧州経済地域)にあり、選手の年齢が16〜18歳の時(移籍先クラブが教育、練習、生活環境のサポートの基準を守った場合のみ)
- c)選手と家族が移籍先クラブから100km以内に居住する時。
チェルシーは、FIFAが調査した92件の海外移籍のうち29件でこの規則を守らなかったとされ、移籍市場の選手の獲得を2度禁じられた。その辛い状況に、ランパード監督はアカデミーに手をつけて、優秀な選手をトップチームに上げるしか方法なかったのだ。
しかし、当初チェルシーにとって辛かったこの状況は、アカデミーの良い教育のおかげで面白い展開に変わった。リーグで輝いているだけでチェルシーにとっては十分のはずなのに、若手選手が代表にまで注目され始めたのだ。
他のプレミアクラブはあまり若手にチャンスを与えない
今シーズン、ランパード監督は20歳のマウント、22歳のアブラハム、そして21歳のトモリに数え切れないほど、たくさんの出場チャンスを与えている。さらに最近の話ですが、ハドソン=オドイとロフタス=チークがチームのローテーションに入り始めた。
また、19歳のリース・ジェームズも今シーズン9試合で使われていて、パーフォーマンスを見る限り、彼も代表に呼ばれても不思議はない。イギリスのメディアも時間の問題だと報じている。
しかし、残念なことにプレミアリーグで若手にチャンスを与えているチームはとても少ない。2018年の始まりに、これに関して元リヴァプールのDFジェイミー・キャラガーはカメラの前でこんな発言をして、話題になった。
「クラブはポリシーを変えて、若手をもっと大事にするべき。2017年に行われたU-17のワールドカップで活躍していた選手7人はチェルシーとマンU所属の選手です。彼らに実力を見せつけられたのに、なんで試合に使わないの?才能あふれている選手は国内にたくさん存在しているのに、なぜ莫大なお金を使って、未だに海外からトップスターを呼ぶの?」
私もそう思う。イングランドだけではなく、どこの国でももう少し若手選手を大事にするべきです。
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