最終候補20名が発表された2019年のゴールデンボーイ賞。イタリア紙『トゥット・スポルト』が主催する、ヨーロッパでプレーする最も活躍した21歳以下の選手に贈られる権威ある賞だ。
リオネル・メッシやセルヒオ・アグエロ、ポール・ポグバなど、後に世界的な選手となる多くの男たちがこの賞に輝いてきた。
しかし、中にはゴールデンボーイ賞を受賞しながらも、大成できなかった選手たちがいる。今回は、そんな5人の選手をご紹介する。
アンデルソン
受賞年:2008
2007年にマンチェスター・ユナイテッドに加入したアンデルソンは、負傷離脱を余儀なくされたポール・スコールズの穴を埋める活躍を見せ、プレミアリーグとチャンピオンズリーグ(CL)の2冠達成に大きく貢献。2008年のゴールデンボーイ賞に選ばれた。
しかし、その後はレギュラーへ定着できず、2014年にフィオレンティーナへレンタルへ移籍。フィオレンティーナでも出場機会を得ることはできずにブラジルへ帰国。今年9月に31歳の若さで現役を退くことを、所属クラブのアダナ・デミルスポルの会長が明らかにした。
アレシャンドレ・パト
受賞年:2009
ミランに颯爽と現れた新星は鮮烈な輝きを放ち、10年前のゴールデンボーイ賞に輝いた。36試合で15ゴールを記録し、セリエAの年間最優秀若手選手賞も受賞。バルセロナ相手に圧倒的な独走ゴールを挙げるなど、当時の彼の勢いは留まるところを知らなかった。
しかし、それと同時にパトを苦しめたのが負傷だった。2年間で8回も筋肉系の負傷に悩まされるなど、ピッチを離れざるを得ない時間が増え、2012/2013シーズンの冬の移籍市場で移籍を志願。以降、若手時代の鮮烈な輝きを取り戻すことはできていない。
マリオ・バロテッリ
受賞年:2010
2007年にインテルでセリエAデビューを飾ったバロテッリ。アウェイでのユベントス戦で2ゴールを挙げるなど、日に日に彼への注目度は上がっていた。そして2010年にゴールデンボーイ賞に輝いている。
2009/2010シーズンあたりから、より鮮烈な印象を与え始めたバロテッリだが、それと同時に問題行動も目立つようになった。チームの規律を乱す行動が問題視され、ジョゼ・モウリーニョ当時監督からも処分を与えられた。
その後もマンチェスター・シティやミラン、リバプールなどビッグクラブを練り歩いたが、問題行動が減ることはなく、若手時代に期待されたほどの選手になることはできなかった。29歳となった現在は、セリエAに昇格したブレシアでプレーしている。今後、巻き返すことはできるだろうか。
マリオ・ゲッツェ
受賞年:2011
香川真司の負傷もあり、2010/2011シーズンからボルシア・ドルトムントの中心選手になり始めたゲッツェ。18歳ながら6ゴール、15アシストを記録するなど、神童として持て囃された。そして、2011年にゴールデンボーイ賞を受賞している。
その後もドルトムントの中心選手として活躍し、ブラジルW杯でもドイツ代表を優勝に導くゴールを記録するなど、印象的なパフォーマンスを見せていたゲッツェ。しかし、バイエルン・ミュンヘンに移籍した2013/2014シーズンあたりから徐々に歯車が狂い始め、ドルトムントに復帰した2016年に完全に狂った。代謝異常が発覚し、無期限のチーム離脱が発表されたのだ。
ただ、その病を克服したゲッツェは主に1トップとして今シーズンは起用されており、ベルダー・ブレーメン戦などではゴールも記録している。まだ27歳と若いゲッツェの完全復活に期待だ。
レナト・サンチェス
受賞年:2016
ベンフィカ時代にチャンピオンズリーグ(CL)で大暴れし、数多くのビッグクラブから注目を集めたサンチェスは、バイエルン・ミュンヘンに加入。ただ、1年目は17試合の出場にとどまっている。それでも、ベンフィカ時代の活躍が評価され、その年(2016年)のゴールデンボーイ賞に輝いている。
しかし、その後はレンタルでスウォンジー・シティでプレーするなど、バイエルンの3年間で自身の居場所を確立することはできなかった。そして、今夏の移籍市場でリールに移籍している。
現在22歳と、大成できなかった評価するには早すぎるサンチェス。今後の巻き返しに期待だ。
コメントランキング